血小板凝集能の手技とデータの見方と意義

2017年9月13日水曜日

血液学的検査

t f B! P L

血小板凝集能検査とは


血小板凝集能検査は血小板の機能を評価する方法で血小板無力症、Bernard-Soulier症候群で低下し、糖尿病、狭心症などの血栓形成疾患で亢進する。
臨床検査技師の国家試験的にはADP凝集とコラーゲン凝集に関して丸暗記した人も少なくないだろう。
予防血栓形成疾患の予防治療評価やその治療の指標として重要な検査項目です。

※抗血栓療法おさらい
抗血栓療法
主病態
代表的疾患
抗血小板療法
血小板活性化
動脈血栓
心筋梗
脳梗塞
末梢動脈血栓症
抗凝固療法
凝固活性化
(静脈血栓)
深部静脈血栓症
肺梗塞
心房細動

判定クラス
薬効判定
ADP/コラーゲン判定
97
9
投与の増量
8
7
64
6
投与の微調整または現状維持
5
4
31
3
減量または投与中止
2
1


ADP凝集とは

ADP試薬を添加直後に一次凝集を起こし、次いで血小板自身からADP放出されて二次凝集が起こる。
高濃度では一次、二次凝集が連続的に起こり、低濃度や血小板機能低下では一次凝集の低下、二次凝集の欠如がみられる。

コラーゲン凝集とは

コラーゲンは血小板を直接凝集させる作用はありませんが、
コラーゲンの刺激により血小板からADPが放出されて凝集が起こります
。従って、コラーゲン試薬添加直後に凝集は起こらず、ラグタイム後一相性の凝集がみられる
  

血小板凝集能検査手順

1.採血(抗凝固剤(クエン酸Na
2.PRP(Platelet Rich Plasma)の作製
    8001000rpm 80G)で遠心分離し上積みを採取。
3.PPP(Platelet poor Plasma )の作製
    PRP採取後の残りの血液を3000 3500rpm 2000G)で遠心分離。
4.試薬(惹起物作成)
5.検体の分注
6.測定開始
7.試薬添加
8.測定終了


本検査は精度管理のための管理試料(コントロール)はありません。
また生化学検査のような明確な基準値はなく、
健常人の検体もコントロールとして測定し患者との反応性の差異をみます。
また血小板業種脳検査の測定結果の評価方法にはグレード分けがあり
それにより治療の調整を行うみたいです。
NSR-(2濃度法)とグレーディングカーブ(4濃度法)があるNSR-(2濃度法)
2つのモードでそれぞれ9段階の判定を行い、
ADPやコラーゲンの濃度にとって①-1正常判定モード
-2薬効判定モードとさらに分けられます。
一方②グレーディングカーブ(4濃度法)はPATI値(閾値)
とグレードタイプ判定(6段階の判定)があります


検査における注意点

・採血針は2021Gの太めのものを使用して、血小板に負荷がかからないように注意し原則空腹時採血です。
食後は血漿が乳びとなり、測定に影響を与える可能性があります。
・採血後1時間から3時間以内に測定を終了します。
・凝集を目視確認(キュベット内の凝集塊の有無を目視で確認します。)
・結果判定は最大凝集率のみでなく、一次凝集、二次凝集の欠如、解離の有無、惹起物質の濃度等を考慮して総合的に判定します。

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