24時間蓄尿の手順を解説:Ccrの計算式から失敗時の対応まで

2026年3月15日日曜日

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24時間蓄尿法によるクレアチニンクリアランス(Ccr)検査の手順および注意点

はじめに

クレアチニンクリアランス(Ccr)は、腎臓の糸球体濾過量(GFR)を評価するための古典的な指標です。24時間の全尿を収集することで、筋肉量や食事の影響を考慮した、より実態に近い腎機能を把握できます。

検査方法

1. 蓄尿の手順

  1. 開始:起床直後の尿は計測に含めないため、トイレに捨てます。この時刻を開始時刻として記録します。
  2. 採取:以降、翌日の同時刻までの尿を一滴も漏らさず容器に貯めます。
  3. 終了:翌日の同時刻(24時間後)に、尿意がなくても排尿し、それを最後の尿として採取します。

2. 計算式

Ccr (mL/min/1.73m²) = (尿中Cr × 総尿量) / (血清Cr × 1440) × (1.73 / 体表面積)

⚠️ 途中で尿を捨ててしまった・失敗した時の対応

蓄尿検査は「24時間の尿がすべて揃っていること」が大前提です。途中で一部を捨ててしまった場合、正確な結果が得られず、腎機能を過小評価してしまう危険があります。

【具体的な対応フロー】

  • すぐに中止する:一部でも尿を捨ててしまった(または採取し忘れた)時点で、その日の蓄尿は不完全となります。
  • 医療機関へ連絡:「〇時頃の尿を失敗した」旨を主治医や看護師、検査技師に伝えてください。
  • 再検査の実施:通常、翌日以降に改めて「最初から(開始時の尿を捨てるところから)」やり直すことになります。
  • 無理に継続しない:「少しだから大丈夫だろう」とそのまま提出すると、誤ったデータに基づいて薬の量が決まるなど、治療上のリスクにつながります。

検査中の注意点

  • 保存:細菌の繁殖を防ぐため、容器は必ず冷蔵庫(または冷暗所)で保管してください。
  • 撹拌(重要):提出前に容器をよく振り、濃度を均一にしてから小分け容器に移してください。
  • 生活:過度な運動は避け、水分摂取は普段通り(極端に増やしたり減らしたりしない)にしてください。

結語

正確なCcrの算出には、患者様の協力と手順の遵守が欠かせません。もし失敗してしまった場合でも、正直に報告して再検査を行うことが、安全な治療への第一歩となります。


参考文献

  • 日本腎臓学会. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2009 / 2012 / 2016.
  • 各種臨床検査ガイドおよび施設手順(BML検査情報等参照).

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