EDTA依存性血小板凝集とは
採血後のinvitroでの血小板凝集により、実際の循環血小板数よりも自動血球計数機によってカウントされます
自動血球計数器では血小板の凝集塊は血小板と認識されないため、凝集があると実際より少なく報告される血小板数が状態を偽性血小板減少症とよびます。
偽性血小板減少症といえば一般的にEDTA依存性偽性血小板減少を指します。
1969年にGowlandらにより報告されて血球計数症例の0.07~0.11%程度の頻度で認められます。
EDTA依存性偽性血小板減少症の発生理由
EDTA依存性偽性血小板減少症の発生理由はEDTA塩による二価陽イオンのキレート作用により血小板膜タンパク質(GPIIb/IIIa)上のエピトープが変化し、これに本症の血中に存在する免疫グロブリンが反応することでEDTA依存性偽性血小板減少症が発生します
特に自己免疫性疾患、慢性炎症性疾患、肝疾患、代謝性疾患や悪性腫瘍などの基礎疾患を保有する場合が多いともされますが、疾患特異性はなく、例えば抗生物質、抗てんかん薬などの薬物投与との関連も示唆されており無症候の健診受診者でもしばしば認められ時折認められます。
EDTA依存性血小板凝集の証明方法
血小板数が臨床所見と合致しない場合は偽性血小板減少症を積極的に疑う必要があります
検査室で血小板凝集の有無を塗抹標本で確認することや自動血球計数器のヒストグラムの観察によって証明します
EDTA依存性血小板凝集が疑われる時の採血方法(EDTA依存性血小板凝集の回避法)
EDTA依存性血小板凝集の回避法は様々な方法が報告されています
・生血で測定(プレーン管で採血し、直後に測定)
・過剰なEDTAの添加(通常の20~30倍量)
・抗凝固剤を替える(クエン酸Na等)
・FC管(NaF+EDTA-2Na+クエン酸Na)
・アミノグリコシド系抗生物質(カナマイシン等)を添加
・テオフィリン添加
・GPⅡb/Ⅲaモノクロナール抗体添加
EDTA血で凝集が認められた場合、他の抗凝固剤で再度採血して血小板数を測定するか、抗凝固剤を使用せずに即時に測定することで証明されます。
自分の勤務先ではFC管をもっぱら使用しております
FC管採血時の注意点としてFC管採血ではPLT値以外のヘモグラムの結果(特にHCT)は抗凝固剤の影響で変化するので、PLTのみ参考にし白血球の形態にも影響を与えることから、末梢血液検査にはFC管とEDTA・2Kで同時に採血してます。
クエン酸ナトリウムの血小板凝集阻止能力は低く、時間の経過とともに血小板凝集を起こすことがあります
採血後は速やかに検査室に提出し速やかに提出する運用が大事です
EDTA依存性血小板凝集が疑われるときは、FC管での採血などの回避策を検討し血小板数の偽低値報告を回避できるよう細心の注意意を払いましょう
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