コロナウィルス流行に伴いPCR検査や抗原検査キットが普及してきましたが特にコロナ禍ではPCRという用語が広く一般に知れ渡ったのではないかと思われます
コロナウィルスに感染したことを確認する方法として病院やクリニックやで抗原検査やPCR検査を行うのですが、最近では自宅でも気軽に抗原検査が行えるよう検査キットがドラッグストアや自動販売機、通信販売で購入できるようになりました
コロナ抗原検査キットの測定原理
コロナ抗原検査の測定原理は、イムノクロマト法に基づいて行われます。富士レビオからの引用となりますが原理は下記の様になります。
反応カセット内のメンブレン上には、検出ラインとしてＳＡＲＳ-ＣｏＶ-２抗原判定部があります。ＳＡＲＳ-ＣｏＶ-２抗原判定部には抗ＳＡＲＳ-ＣｏＶ-２モノクローナル抗体が固相化されています。またアルカリホスファターゼ標識抗ＳＡＲＳ-ＣｏＶ-２モノクローナル抗体、基質および液状の展開液がセットされています。
検体滴下部に滴下された検体中のＳＡＲＳ-ＣｏＶ-２抗原はＡＬＰ標識抗ＳＡＲＳ-ＣｏＶ-２モノクローナル抗体と共にメンブレン上に移動し、展開液により展開され、判定部に固定された抗ＳＡＲＳ-ＣｏＶ-２モノクローナル抗体（マウス）とサンドイッチ複合体を形成します。この複合体の酵素に基質が反応することにより発色し、検体中のＳＡＲＳ-ＣｏＶ-２抗原を検出することができます。
反応確認用のレファレンスラインには抗ＡＬＰ抗体が固相化されており、過剰に存在するＡＬＰ標識抗体が固相に結合し、標識体の酵素反応によりラインが出現することで、反応カセットの反応が正常に行われたことが確認されます。
抗原検査とPCR法の違い
コロナ抗原検査とPCR法の違いですが、両方ともコロナウィルス感染確認を目的としております。抗原検査は鼻腔中の抗原の有無を調べます。一方でPCR法はざっくり言えば、DNA配列上の特定の領域（目的領域）を、耐熱性DNAポリメラーゼを用いて増幅させる方法です。鋳型DNAが極微量でも存在していれば目的領域が増幅されます。
富士レビオの抗原検査キットとPCR法の一致率の違いですが、
１６００コピー／テスト以上における陽性一致率は９２.３％（１２／１３）、
４００コピー／テスト以上における陽性一致率は７３.７％（１４／１９）と記載れされております。抗原検査とPCR法を比べた場合PCR法のほうが微量でも検出できるため抗原検査では検査対象の抗原の量が少なく陰性となりますが、PCR法では陽性となる事例が存在します。しかしPCR法では時間や専用の分析装置や検体処理装置などの費用が発生しますが、抗原検査はキットさえあれば３０分で感染の確認作業が行えるという点も異なります
一般人が購入できるコロナ抗原検査キット
実際コロナ抗原検査キットはアマゾンや楽天、ヤフーショッピングなどで購入できます。１テスト単位でも購入できるようで数百円から購入できます。
アマゾンで検索したところかなり多くの商品が見つかりました
VERI-Q ベリキュー 新型コロナ抗原検査キット 自宅で最短5分スピード検査 変異株対応（研究用）
【Amazon限定ブランド】Japan Health Design 新型コロナウィルス 抗原検査キット 唾液検査 変異株対応 研究用1回分 15分スピード検査 欧州CEマーク取得済 コロナ検査 ジャパンヘルスデザイン社製品
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SAFE CHECK 唾液専用 【デルタ株・ミュー株など変異株対応コロナ検査】新型コロナウイルス 抗原検査キット 最短10分どこでも検査 唾液検査 セーフチェック) 研究用
この辺の商品が人気ランキング上位でした。実際に病院検査室で使用されているコロナ抗原キット（富士レビオ、デンカ、ニッスイ、タウンズ等）は見つかりませんでした。またネットショッピングサイトで販売されているコロナ抗原検査キットの厚労省からの認可の有無に関しての情報は確認できませんでした
抗原検査キットの操作手順（富士レビオより引用）
１．検体抽出
検体を採取した綿棒の綿球部分をすみやかにスクイズチューブ内の検体処理液に浸し、綿球部分を挟み押さえながら10回程度回転、その後綿球部分を絞り出しながら綿棒を取り出します
２．滴下チップをはめる
調製した試料液の入ったスクイズチューブに滴下チップをはめ込む
３．滴下
指定された滴数を滴下する
４．凸部を押す
試料液滴下後、凸部を押し、反応を開始し、指定時間水平に静置します。
５．判定
指定時間より前でもレファレンスラインと判定ラインが出現した場合、「陽性」と判定できます。また、30分判定時点では｢陰性｣でその後｢陽性｣となった場合は｢陰性｣と判定してください。
コロナウィルス抗原検査キット検査の注意点
注意すべき点として陽性ラインが出ないからと言って陰性と判定してはいけません。判定ラインの発色およびの有無にかかわらず、レファレンスラインが認められなかった場合は、新しい反応カセットを用いて再検査を行います。
自宅でコロナウィルス検査を行ったとのキットの廃棄方法
抗原検査キットは病院では専門業者によって廃棄されていますが自宅で検査キットを用いた場合はそうはいきません。自宅に置いておきたくもないですし、陽性であったキットをそのまま捨てると、ゴミ捨て場を利用する他の方が感染する恐れさえあります。
自治体では下記の捨て方を推奨しているようです
１．使用後はビニール袋に入れ、4日程度保管する。
物の表面についているウイルスは時間が経てば感染力が低下します。ただし、付着した物の種類によって24時間から72時間ほど感染力をもつと言われています。
２．4日経過したら、もやすごみとして指定の収集日に出す。
ゴミ捨て場を利用する他のヒトやごみ収集を行う市職員の方のためにも、適切に廃棄してください。
４日間も家に置きたくない場合は、ジップロックに使用済みのキットを入れハイター（次亜塩素酸）に漬けておけば次のゴミの日に捨てれば問題ないような気がします。また廃棄する際は手をしっかり洗って消毒してください。
さいごに
最後に抗原検査は判定が陰性であっても、SARS-CoV-2 感染を否定するものではありません。疑わしい場合や、万が一運悪くコロナ抗原陽性となった場合は最寄りの保健所に相談して的確な指示を仰いでください。
できれば自宅でできる抗原検査は抗原定性検査であると明記していただきたいです。
返信削除富士レビオの定性検査と定量検査では検出能力が大きく違います。抗原定性検査では陰性だった検体が抗原定量検査では陽性である事例も多々あります。多くの方々はなんでもかんでもPCRが抗原検査より優れてると信じ込んでる方がおります。実際にはPCRと抗原定量検査の検出能力は差がほとんどありません。PCRと性能差があるのはあくまで抗原定性検査であると伝わるようにしたほうがいいと思います。コロナに関する情報はセンシティブな話題になります。確実で分かりやすい説明が求められます。