細胞診と組織診断の違い

2018年10月13日土曜日

病理・細胞診

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時々、細胞診と組織診の違いを友人から聞かれることがあります。

 

組織診とは

病理組織検査は生体から組織を採取し、ホルマリン固定後にパラフィンブロックを作成し、薄切、染色後に病理医が顕微鏡で観察してその病態を解析する検査法です。主に患者の病変部から組織を採取します。採取方法には病変の一部を採取した生検や手術で摘出された臓器などがその対象となります病変の形態学的変化に基づき病態を捉えます。また捉える目的により、免疫組織化学(蛍光抗体法、酵素抗体法)、遺伝子学的検索を行ったりもしております。

 

細胞診とは


病変部より採取された検体をスライドガラスに直接塗抹、固定し染色後に個々の細胞の形態を顕微鏡下で観察する検査法です。簡便な検査法として婦人科健診でよく利用されておりますが細胞診の長所と短所はざっくりいうと次のようにまとめられます

 

【長所】

1 検体採取が比較的容易で、患者に対する侵襲が少なく繰り返し検査が出来る。

生検を行うことが不可能な検体(胸・腹水、尿、髄液等の液状 検体)で細胞診以外

に診断方法が無い場合に有力である。

標本作製が容易で、比較的安価→集団検診に適する。

 

【短所】

喀痰、胸・腹水、尿などは剥離した細胞に変性が加わっているので判定しにくく、

剥離した細胞の起源が判りにくい。

悪性細胞が見つかっても、広がり、進行度(進達度)の判定が 困難である。

組織診に比べ情報が少なく、その判定にかなりの熟練を要する

 

近年では胸水腹水等の体腔液はセルブロック法というのがあり、あいまいになる気もしますが基本的には上記短長所となります

 



また細胞診と組織診の特徴をまとめると次の様になります

 

 

組織診

細胞診

侵襲性

高い

低い

標本作製

やや煩雑

容易

原発部位の推定

可能

困難

深達・広がりの推定

可能

困難

 

実はこれは臨床検査技師の国家試験の際に必ず一問出題される問題の中の一つです。

学生の方は試験に出るので覚えておいた方が良いですよ

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