生化学分析と比色分析
生化学検査における汎用分析器においてNa、K、Cl等の電解質以外の項目は主に吸光度を用いた比色分析が行われるこの比色分析はランバートベールの法則に基づき分析が行われるその吸光度の変化から試料の濃度が求められる
濃度= 吸光度÷ 吸光係数×セルの光路長
溶液の吸光度は、溶液の濃度と溶液層の厚さ(=セルの光路長)に比例することを証明しています
分析方法は下記に分けられる
1. レートアッセイ(初速度分析法)
2. エンドポイントアッセイ(終点分析法)
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レートアッセイ(初速度分析法)とは
レートアッセイは試料と試薬を反応させた後の単位時間当たりの吸光度変化の量を基に試料濃度を求める分析方法です。レートアッセイは1次反応領域で吸光度変化を測定するので1次反応領域が大きい方が適しKm値が基質濃度より十分大きい必要がありためKm値が大きい酵素のほうが適しています。増加反応と減少反応があります。減少反を用いる項目としてAST,グルコース、ALT、LD,CK、BUN等が挙げられる。エンドポイントアッセイ(終点分析法)とは
試料と試薬を反応させた前後の吸光度の差から試料濃度を求める分析方法でKm値が小さい酵素が適しています。TP(蛋白)のビウレット法に代表される分析法ですまた生化学分析装置では吸光度変化を継時的にとらえて波形とし反応タイムコース、反応派形などと呼ばれメーカーによりその呼び方は様々である
※基本的なエンドポイントアッセイの反応タイムコース
※乳び検体の波形
第一試薬分注後、濁りが焼失していることがわかる
その反応過程(反応タイムコース)を確認することで危機のトラブルや異常データの解明に繋がる。
攪拌不良
攪拌不良が発生すると反応溶液が不均質になり、反応が遅れます。反応過程モニタを確認すると、直線的な反応を示さずに揺らぎぶれます、エンドポイントアッセイでは終点に達しない、レートアッセイではラグタイムの延長が見られますランプ劣化
ランプが劣化するとまずUV測定系に異常が出やすい。特にUV測定系統(AST,ALT,UN)の低濃度検体に出やすい、ランプの劣化を最初に疑うが、この場合セルブランク異常も現れやすくなる。最近吸光度分析に関して学んで見たのでまとめてみました
吸光度分析のレートアッセイ・エンドポイントアッセイ・反応過程(反応タイムコース)を知っておくことは機器トラブルの早期発見や原因の究明に有用です
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