新型コロナウイルス「COVID-19」検査法と検体の輸送方法

2020年3月1日日曜日

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コロナウィルスとは

コロナウイルスは、一本鎖RNAウイルスのニドウイルス目のコロナウイルス科のウイルスをさし、コロナウイルス亜科、トロウイルス亜科を含む。哺乳類・鳥類にさまざまな疾患を引き起こします。人では風邪などの呼吸器感染症を起こし、軽度から中等度の呼吸器症状を起こす。

コロナウィルス検査ができる施設


SARSコロナウイルスに関する特異的検査については、原則として、一次検査は検査可能な全国の地方衛生研究所もしくはそれに準じる機関及び医療機関において行います。確認検査、血清抗体検査は、国立感染症研究所ウイルス第三部にて行っております。また、SARSコロナウイルス以外の既知の病原体の検査は、地衛研、病院検査部等で行います。

SARSコロナウイルスの分離

ウイルス分離が可能なBSLレベル3施設を有する地衛研では、SARSコロナウイルスを目的としたウイルス分離を行います。                             

SARSコロナウイルスの遺伝子検索

LAMP法、RT-PCR法等による検査は、BSLレベル2以上の実験施設でBSLレベル3の病原体に対する実験手技で行います。


SARSコロナウイルス抗体検査:

血清抗体検査は、感染研ウイルス第三部において、原則として行政検査として自治体からの依頼により行う。検体は急性期及び回復期のペアを原則とする。感染研へ検体送付する場合は「5.検体受付」に基づいて実施する。

SARSコロナウイルス検査のための検体採取方針

現在のところ医療上の診断目的としては認可されていない点、検査の感度が十分とは言えない場合があり、病原体検査のが陰性の結果であっても疾患としてのSARSを否定するものではない点に注意が必要です。この点を考慮し、SARS検査(行政上及び研究目的)への協力を被験者(被験者が小児等の場合はその保護者)に十分説明の上、インフォームド・コンセントを得た上で実施することが望まれます。また、感染研に送付頂いた検体については、原則として、SARSコロナウイルス以外の病原体検査は行わないこと、SARSコロナウイルスの検査及び研究目的以外には使用しないことをあらかじめお断りいたします。

検体の採取時期

ウイルス分離・遺伝子検索用
気道からの検体(鼻咽頭拭い液、喀痰等)は、特に発症10日目頃の検体が有用である。LAMP法やリアルタイムPCR法などのより高感度の方法を用いた場合には、発症0~3日目でも検出できる可能性が高く、発症早期からこれらの方法による病原検出を試みることが望ましい。
全血、血漿、血清などの血液検体では、RT-PCR法、LAMP法などで、発症後比較的早い時期から陽性になり、発症21日目以降では陽性率が低下するとされる。
便はRT-PCR法、LAMP法を用いると発症早期より検出できる可能があり、発症10日目頃をピーク(ほぼ100%検出可能)として、発症1カ月頃まで検出が可能である。    
尿はRT-PCR法、LAMP法を用いても発症早期の場合はウイルスの検出率が低く、発症10日目頃が最も検出率が高い。

抗体検査用

血清抗体価は発症28日目で陽性率約95%である
抗体価測定のための血清は (1) 発症10日目以内(通常初診時)と (2) 発症28日目以降のペアで必ず採取する。

新型コロナウイルス「COVID-19」検体輸送に関して


 
必要性
検体の種類
採取時期
輸送・検査までの
保存温度
1
必ず必要
上気道由来検体
(咽頭 拭い液)
できるだけ早く
(発病後 5 日 以内)
48 時間:4
 >48 
時間:-80℃以下
2
できる限り
採取する
下気道由来検体
(喀痰 もしく
気管吸引液
できるだけ早く
(発病後 5 日 以内)
48 時間:4
 >48 
時間:-80℃以下
3
できる限り
採取する
急性期血清
できるだけ早く
(発病後 5 日 以内)
:4
 >5 
:-80℃以下
4
できる限り
採取する
回復期血清
発病後 1428 
:4
>5 
:-80℃以下
5
可能であれば
採取する
全血(EDTA 加血)
*
ヘパリン不可

 5 
日 以内)
:4
>5 
:-80℃以下
5
可能であれば
採取する
尿
発病 4 日以降
:4
>5 
:-80℃以下
6
可能であれば
採取する
剖検組織
剖検時
 



















上気道由来検体、下気道由来検体は検体採取後、可能な限り速やかに氷上または
冷蔵庫(4℃)に保管し、輸送まで48 時間以上かかる場合は-80℃以下で凍結保存する。
血清・全血・尿は、検体処理後、冷蔵庫(4℃)に保管し、
輸送まで5 日以上かかる場合は-80℃に凍結保存する

新型コロナウイルス「COVID-19」検体の輸送方法

(1) 一次保管容器:血清保管チューブを用い、検体採取日、検体の種類(検体採取部位)、各医療機関にて照合可能な識別番号を容器に記載した上で輸送を行う。その際、検体管理の都合上、輸送する検体のリストを紙媒体にて添付することが望ましい。

スクリューキャップ付きプラスティックチューブがない場合は、凍結保存・輸送の際に、蓋が開かないように厳重に密閉すること。

(2) 全ての検体の輸送に関しては、事前に連絡を行い、感染研到着が土曜日又は休日にならないようにする。その上で、48 時間以内(血清・全血・尿は5 日以内)に検体を輸送することが可能な場合は、検体採取後4℃の冷蔵庫に保存し、保冷剤を同梱し冷蔵で輸送する(凍結させない)。48 時間以内(血清・全血・尿は5 日以内)に輸送することが不可能な場合は、検体採取後-80℃以下の冷凍庫に保存し、ドライアイスを用いて検体を冷凍したまま輸送する。検体の凍結融解を避けることに留意すること。安全性の観点から、ドライアイスは密閉した容器(二次容器)には決して入れないこと。
(3) 病原体を含む検体は担当者とよく相談した上で、基本的に三重梱包を行ない、「病毒を移しやすい物質カテゴリーB」を取り扱う輸送業者を利用して送付すること。

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