検査業務での試薬の欠品と過剰在庫


臨床検査技師は検査試薬と消耗品を用いて患者さんを検査します

ざっくり言えば


検査の利益=保険点数-試薬消耗品代金ー人件費とか


となります

検査技師の知識や技術が稼ぎになるわけではありません

(そう思ている人も結構多いですが・・・・・)

試薬消耗品もいっぱい抱えたくなりがちです

・万が一検査できない場合が怖い

・試薬を複数ロットを抱えていたい

理由はわかります

普段使わない試薬だから、あまり持たないようにしていたら

急に検査があって、しかも期限が切れていたり欠品だったことは私も多々経験しています


欠品して臨床や同僚からぼろくそ言われると腹が立つのはわかります

ただ過剰に抱えていることは期限切れによる経済的ロスが大きいですし

欠品により診療への影響もわかります

検査試薬の欠品も過剰在庫のどちらも良くありません

要は在庫を適正に管理さえできていれば、

欠品や期限切れによるロスを極力避けることは可能となってきます

試薬消耗品の過剰在庫が及ぼす悪影響


欠品は機会の喪失、つまりは検査が出来なく患者に迷惑が掛かります

一方で使用しない検査試薬消耗品を過剰に抱えつづける在庫過多の状態が続くと

・品質の劣化

・管理費用

・資源の無駄


といった、悪い事しか発生しません

経年劣化したものは廃棄せねばなりません

廃棄したものは収益にはならず、購入費用が無駄になります

臨床検査で使用する試薬消耗品はそんなに安くありません

そのうち使用するからという理由で商品を抱えていても

いざ使おうとする際に期限切れで使用できなかったらはっきり言って無駄です

更には患者さんの命にかかわったらもう悪夢としか言いようがありません

試薬消耗品在庫を減らす方法

過剰在庫をかかている場合、適切な需要の予測や分析、使用量の把握が出来ていないことがその原因です


在庫を減らすためには

1. 使用量の把握

2. 在庫定数と発注サイクルの見直し

3. ABC分析

4. 定期的な評価 といった作業が必要となります

1. 使用量の把握

検査試薬消耗品の使用量を把握する方法として、まずは事務部門やSDP会社から過去の試薬消耗品の過去の購入履歴をデータとして入手します

使用量=購入量ですので入手したデータから毎月の使用量の平均を求めてみましょう

定期的に棚卸がある場合は在庫状況や期限のも確認しておくとよいです

在庫管理や不正対策の意味合いからも、購入量と使用量、現物の在庫量も定期的に評価しましょう

2. 在庫定数と発注サイクルの見直し

毎回平均値より多く購入している場合は、購入量を見直しましょう

また在庫定数を設定していない場合は、使用量の平均値をとりあえず定数化すれば問題ありません

月に1回の発注サイクルの場合、商品によっては期限切れが起こりやすくなります

その場合は、発注サイクルを1回/月→2回/月といった感じでサイクルと定数を見直すと過剰在庫やロスの頻度が下がります

全く使用しないものは在庫数0の”定数外”にしてしまうのも一つの手段です

3. ABC分析

一度定数を決めてしまったら、試薬消耗品の在庫金額や発注の忘れが無くなると思います

3か月もしたら定数設定の効果が感じられるでしょう

在庫の解析には”ABC分析”なる手法があります

この手法を用いて検査試薬消耗品在庫の評価を行う事で更に在庫は減らせますし

重点的な評価対象を絞ることが出来ます


検査試薬でABC分析を行う場合

1)一定期間の商品購入数を調べます

2)期間内の商品別購入額の合計を求めます



3)パレート図を作製し”A””B””C”のグループに分けます

4)”A”のグループが期間内の購入額を占める上位グループとなります

検査医薬の場合免疫検査試薬やPCR検査試薬、意外かもしれませんが生化学の電解質緩衝液が上位にノミネートされてきます

この上位グループの在庫数や発注サイクルを重点的に見直せばさらに在庫数は削減可能となります

4. 定期的な評価と在庫管理責任者の設置

病院検査室の場合、臨床医の入れ替わりで検査項目の増減が見られることがあります

このため1年に1・2回程度直しを行う事で過剰在庫や欠品を避けることが出来ます

また在庫に関する責任者を任命しておくのも一つの手法です

その他の手法として

・統一して使用できそうなものは統一してしまう

・購入単位や規格の変更

等を行うと簡素化出来て在庫も減らせます

さいごに

試薬消耗品の有効期限に関しては、2018年の医療法改正により試薬管理台帳の管理が義務化されましたので

以前にくべれば把握しやすい状況になりました

しかし管理方法、特に手書きの台帳管理では有効期限が非常に分かりにくいため

何かしらの物品管理ツールを使用することで在庫や期限の管理が容易となります


自分の勤務先はコロナ禍で検体検査数が減って免疫分析試薬の過剰在庫とロスが発生したので、在庫数を見直しました

SDP会社や事務部門から定数設定の提案、見直しの話をしてくれることはまずありません

在庫解析を行うのは業者でも事務でもなくて現場の検査技師さんです


検査室の担当部門からでも在庫数を見直して過剰在庫を抱えないようにして診療だけでなく

経営面からも貢献できるよう在庫を見直すと良いです

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