健康診断の結果表で「基準値外」のマークがつくと、誰でも不安になるものです。しかし、数値はあくまで「現在のあなたのコンディション」を映す鏡。正しく理解し、適切なアクションを起こせば、未来の健康を守ることができます。
今回は、特に関心の高い肝機能(AST・ALT・γ-GTP)と血糖(HbA1c)を中心に、現役の臨床検査技師の視点から解説します。
1. 肝臓からのサインを読み解く(AST / ALT / γ-GTP)
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、ダメージがあっても症状が出にくいのが特徴です。数値の変化をいち早く捉えることが大切です。
- AST / ALT:肝細胞に含まれる酵素。細胞が壊れると血液中に漏れ出します。特にALTが高い場合は、生活習慣による肝臓への負荷(脂肪肝など)が疑われるケースが多いです。
- γ-GTP:アルコールや脂質の多い食事に敏感に反応します。お酒を飲まないのに高い場合は、食事バランスを見直すサインかもしれません。
【改善に向けた考え方】
日本肝臓学会等のガイドラインでは、適度な運動や休肝日の設定が推奨されています。まずは「体重の3%減」など、無理のない目標から始めるのが一般的です。
もっと詳しく知りたい方へ:
そもそも検査の「基準値」がどうやって決まるのか、その裏側を知ると数値への理解が深まります。
👉 基準値はどうやって決まる?臨床検査の仕組みを解説
2. 過去1〜2ヶ月の平均がわかる「HbA1c」
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、検査直前の食事に左右されない、長期的な血糖の状態を示す指標です。
- 数値の目安:日本糖尿病学会のガイドラインでは、6.5%以上が糖尿病を強く疑う一つの基準とされています。
- ベジタブルファースト:野菜から食べる習慣や、食後の軽い運動は、血糖値の急上昇を穏やかにする工夫として広く知られています。
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血糖の状態を知るには、尿検査の結果も大切です。
👉 尿検査で「尿糖」が出た時の考え方とHbA1cの関係
3. 腎機能やその他の数値もチェック
健康診断では肝臓や血糖以外にも重要な指標がたくさんあります。特に「腎機能」は一度低下すると戻りにくいため、早期発見が肝心です。
腎機能が気になった方はこちら:
👉 eGFRやクレアチニンの数値が示す「腎臓の健康度」とは?
4. 正しい検査結果を得るための「当日の準備」
正しい数値を知るためには、検査前の行動も重要です。次回の検査に向けて覚えておきましょう。
- 絶食のルール:日本人間ドック学会等の指針では、検査前10〜12時間は水以外の摂取を控えることが一般的です。
- 激しい運動は控える:前日のハードな筋トレなどは、ASTを一時的に押し上げる原因になります。
- 水分補給は「水」で:脱水は血液を濃縮させ、正確な数値を妨げます。適度な水分の摂取は大切です。
5. サプリメントやトクホとの付き合い方
- トクホは食品です:特定保健用食品は健康維持を助けるものであり、治療薬ではありません。
- 医師に伝える:サプリの成分が検査値に影響したり、処方薬とバッティングしたりすることがあります。服用中のものは必ず医師に伝えましょう。
【信頼できる情報源】
6. まとめ:数値が気になった時のアクション
- 判定区分を確認する:「要再検査」の場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
- 専門医の診断を受ける:数値の背景には個人差があります。医師の診断を受けることが最も安全な近道です。
- 公的な情報を活用する:ネット上の出所不明な情報ではなく、学会や厚労省の公式サイトを参考にしましょう。
免責事項:本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、医学的診断や治療を代替するものではありません。個別の健康状態については、必ず医師や専門医療機関にご相談ください。
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