アニサキス症(Anisakiasis)のアニサキスとは
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で幼虫は、長さ2cm、幅は0.5mm程度で、白色の糸のように見える寄生部位 : アニサキスは魚介類に寄生する
* 成虫はクジラやイルカの胃に寄生
* 幼虫はイカ類や鯖、鯵、鰯などの内臓表面や筋肉内に寄生する、市販のサバなどでも内臓(肝臓)の表面に幼虫がとぐろを巻いているのが見えることがあります。
魚介類の内臓に寄生しているアニサキス幼虫は魚介類が死亡すると、
内臓から筋肉に移動する。
これらを生食して感染し、長さ2~3cmの幼虫がヒトの胃壁や腸壁にもぐり込んで症状を引き起こし胃アニサキス症と腸アニサキス症に分類されます
アニサキス感染の症状
新鮮な海産魚類を食べて3~4時間後に、突然、激しい腹痛、吐き気・嘔吐が襲います。半日以上から、長い時は1週間くらいたって腹痛に見舞われることもあり、この時は胃ではなく腸に虫が侵入していると考えられる。
* サバアレルギーの人を調べたところ、原因はサバではなくアニサキスだったという報告がある。
アニサキス感染証明のための検査と診断
胃アニサキス症・・・内視鏡で虫を確認してつまみ出すことができる。腸アニサキス症・・・虫を見つけるのは困難で、X線や超音波検査で小腸を調べます。
まれに、虫が腹腔や胸腔、さらに他の臓器に入り込みイヌ回虫症と同様の症状を起こすことがあり抗体検査が役に立ちます。
治療 :内視鏡専門医と消化器外科医のいる総合病院の受診が望ましい
胃アニサキス症の場合、内視鏡で虫をつまみ出した瞬間、嘘のように痛みが消える
* 虫が腸管から外に出て症状を起こしたなら、駆虫薬(メベンダゾール)を内服する。
アニサキス感染の予防
* 新鮮な魚を選ぶ* 内臓は速やかに取除く
* 加熱する。(60℃では1分、70℃以上で瞬時に死滅する)
・ 冷凍する(-20℃で24時間以上冷凍すると感染性が失われる)
* 一般的な料理で使う程度の食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても
アニサキス幼虫は死滅しない
海外のアニサキスによる食中毒の予防対策
* コーデックス(魚類及び水産製品の実施規範:CAC/RCP52-2003)・・・中心部の加熱(60℃で1分)又は冷凍(-20℃で24時間)、生食用の魚は冷凍(-20℃で7日間又は-35℃で20時間)が、アニサキスの死滅に効果的としている。・米国(Fish and
Fishery products Hazards and Control Guidance -4th Edition)・・・ 生食用の魚は、-35 ℃以下で15 時間以上又は-20 ℃以下 で7 日間以上等 の冷凍を勧告。
* EU(Regulation (EC) No 1276/2011)・・・ 生食用の魚及び軟体動物は、-35℃で15時間以上又は-20 ℃で24 時間以上の冷凍を義務付け。
出典 厚生労働省HP(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html)
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