試薬のコンタミ試験(セルコンタミ・プローブコンタミ)

2017年12月27日水曜日

生化・免疫学検査

t f B! P L

分析にけるクロスコンタミネーションとは

クロスコンタミネーションとは試薬成分が次の反応に影響を及ぼすことで、プローブ、攪拌棒、セルを介して一方の試薬から他方の試薬へ混入することにより生じる

コンタミネーションの要因

・試薬によるもの・・・試薬の組成、反応生成物、吸収スペクトル
・装置によるもの・・・セル、プローブ、攪拌棒の汚れや傷
・運用の要因・・・メンテナンス不足、試薬の継ぎ足し、人的操作ミス


クロスコンタミネーションを起こしやすい項目とは

グリコアルブミン試薬中のプロテアーゼが影響することが有名だが、試薬やメーカーにより異なる

測定物を含む試薬の影響

・CK、ALP,UN → Mg (試薬にMgを含む)
・AMY→Ca(試薬にCaを含む)
・AST、ALT → LD(試薬にLDを含む)

反応生成物の影響

・TG,TC、HDL、LDL → NEFA(反応により脂肪酸生成)
・GA → ジゴキシン(プロテアーゼが蛋白を分解)

同一波長の持越し 
・TBA → CHE (試薬の色が影響)
・ALB → TC、TG (試薬の色が影響)


クロスコンタミネーション回避のための検討方法は?

1)新規測定試薬導入時はランニング時にクロスコンタミネーション試験を実施しておく必要があり3重測定が基本となる

具体例
リン→リン→リン→アルブミン→アルブミン→アルブミン→リン→リン→リン


結果の解釈


コンタミテストの直前に5重測定しておきレンジを求めレンジから外れれば影響ありと判断する



コンタミネーションの回避方法

回避プログラムの検討が重要である。
    1. コンタミを起こした試薬間に1項目挟み影響が回避できれば影響項目1となる。
    2. それでも回避できない場合は水洗浄を行う
    3. 2)でも回避できないならば洗剤による洗浄を検討する

コンタミネーションを回避するには水による洗浄、回避できなかったらアルカリ洗剤→酸性洗剤の順で回避方法の検討を行うのだがアルカリ洗剤は蛋白や脂質の汚れを落とし、酸性洗剤は血清鉄、無機リンの汚れを落とす。酸、アルカリなどの洗浄プログラムを実施すればクロスコンタミは回避できるものと思われるが洗浄操作が入るため、機器の分析速度は遅くなる。

ここまではプローブコンタミの話をしたが、セルコンタミと言うものがある。これは反応に使用したセル洗浄が不十分であった場合に次に同じセルを使用した際に試薬が混ざり、反応に影響を及ぼすことをいいセルスキップを考慮し検討する必要がある。プローブコンタミが無くてもセルコンタミが生じる可能性があるのでプローブとセルの両方を検討する必要がある。

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