尿検体の採取方法と検査項目、採取の注意点

2018年1月20日土曜日

遺伝子検査 一般検査 生化・免疫学検査 微生物検査

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尿検査とはどんな検査か
尿検は尿中の成分を分析することで腎、尿路、腎前性の疾患を推測することが出来ます。
尿を作ることの目的は体内の老廃物を体外に排出する事です。尿中に排泄される成分や量が病気で変化しますのでこの成分の物理的・科学的・形態学的な状態を調べることが各種疾患の診断、予後の推定、治療法の決定づけます。

尿検査の目的と検査項目
尿中有形成分の分析で腎・尿路、心、肝、内分泌等の機能や病態を知ることが出来、尿は採取が容易であるため侵襲性も低く繰り返し検査できその診断価値は大きく検査項目は多岐にわたる

検査項目
・尿一般検査:pH、比重、蛋白、ブドウ糖、潜血(ヘモグロビン)、ケトン体、白血球、
亜硝酸塩、尿沈査、白血球、尿中好酸球、クレアチニンクリアランス、

・尿化学検査:Na、K、CI、尿素窒素、カルシウム、無機リン、尿酸、クレアチニン、
尿中微量アルブミン検査、尿浸透圧、

尿検査と検体種別
検査に用いる尿には随時尿や蓄尿などがありま正しい検査結果を得るため検査目的に合った方法で採取する必要があります。尿検体には以下の検体が用いられます

・自然尿:自然に排出される尿
・全部尿:その時排出する全部の尿
・初尿出始めの尿
・中間尿:排尿の最初と最後の部分を避けた中間部分の尿
・カテーテル尿:尿道から膀胱あるいは尿管にカテーテルを挿入して採取した尿
・膀胱穿刺尿膀胱穿刺により採取した尿
・回腸導管尿:尿路変更術の一つである回腸導管のストマから採取した尿

また採尿方法により4種類に分けられます
※尿検査の4種類の採尿方法
・随時尿
・早朝尿
・分杯尿
・蓄尿

随時尿はその場で採った尿です
分杯尿は、排尿時の前半の3分の2の尿を採りさらに残り尿を分けて採る方法です。
蓄尿とは、一定期間の尿をためて検査する方法で1日24時間かけてためることが多いです

尿種別と検査項目
蓄尿:トルエン、キシレン、糖、蛋白、クレアチニン、アルドステロン、遊離コルチゾールなど
・防腐剤として塩酸(酸性蓄尿)する項目:カテコールアミン、VMA、HVA、5-HIAA
・防腐剤としてアジ化ナトリウムを利用・ 尿中C-ペプチド

採取時におけるポイント
クレアチニンクリアランス(24ccr)は尿量、身長、体重、尿中クレアチニン値と血清クレアチニン値から糸球体濾過値を算出する腎実質性疾患の障害の程度を評価する検査で蓄尿量によって測定値が変化するため正確な蓄尿を行う必要があります

尿定性項目には蓄尿または随時尿を用い、尿沈査は採尿後可能な限り早めに検査を行います。また細菌の影響を受けやすいです。

尿放置による成分変化
・色調濃色化 : ウロビリノゲン(無色)が酸化しウロビリン体(有色)に変化する
・混濁増加:細菌や真菌の増殖、塩類の析出
・PH :アルカリ化
・細菌増殖に伴う尿素分解によるアンモニアの生成
・ブドウ糖減少:細菌、真菌による分解される
・潜血陰性化:初期は溶血のため反応促進した後Hb変性する
・・ケトン体減少:アセトンとアセト酢酸は分解された後に揮発するため
ビリルビン減少:ビリベルジンに酸化するため
・亜硝酸塩減少:初期は細菌による亜硝酸塩の還元促進、その後分解される

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