試薬の検出限界とは
検出限界(LOD)は検出できる最小値の事をさし、検出値が検出下限以上となった場合の第一種過誤(測定対象は存在すると誤って判断されてしまう確率)は1%、第二種過誤(測定対象は存在しない誤って判断されてしまう確率)は50%となる場合がある。試薬の最小検出感度は定量限界の信頼性に関する評価項目の一つであり、分析器導入時や試薬導入時に検討される項目の一つである。特に内分泌機能検査、腫瘍マーカー、血中濃度分析やCRPやクレアチニンなど臨床上低値が問題となる項目において最小検出感度の検討が必要となる
検出限界の求め方と問題点
方法
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求め方
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問題点
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2SD法
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標準曲線0濃度から信頼限界を求める
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検量線の勾配から判断するため
精密さが悪いと影響を受ける
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希釈法
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低値試料を順次希釈してから測定値の
0濃度の測定値における有意差検定を行う事から求める
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2SD法と同じ問題点を有す
試料を希釈するのでマトリックスが異なる
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P.P法
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Y軸に個々の標準液の標準偏差、X軸に標準液濃度をとり
作図されたP.P.法のY軸との切片から検出限界を求める
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複雑な計算法を要する
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一般的には2SD法が用いられることが多いが今回は敢えて最小検出感度の求め方(希釈法)の手順と評価法を下記に示す
試料
盲検資料 : 同じマトリックスで目的成分を含まないもの(陰性血清)※CRPやクレアチニンの盲検試料(陰性血清)は検討時にメーカーに言えば手配してくれます
手順1.10段階以上の希釈系列を作成
検体(μ)
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0
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50
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100
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150
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200
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250
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300
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350
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400
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450
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500
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希釈液(μ)
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500
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450
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400
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350
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300
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250
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200
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150
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100
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50
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0
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濃度(%)
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0
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10
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20
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30
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40
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50
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60
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70
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80
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90
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100
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評価方法
1.希釈液より2.6SDを求める解釈と注意点
・希釈液の濃度+2.6SDの上限と重ならない希釈倍率の平均値が最小検出感度となるこれは0濃度と検体を分けるためで実際に利用できる実効感度はこれより高くなる・検出感度の検討では新規項目を単独で測定しているデータであるため実際の測定では キャリーオーバーの可能性を考慮する必要性がある試薬の性能は 分析器のパラメーター、攪拌、光路長などが関与し同一メーカーの分析装置でも機種の大きさなどにより異なります。データの元となる同一メーカーの分析装置を用いても同じ性能になるとは限りません。このため添付文書は使用前に各種性能を比較できるが、使用前には必ず確認する必要性があります
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