血清カルシウム測定の意義
成人の生体には約1kgのCaが存在し、その99%は硬組織(骨)に含まれており、残りの1%が軟部組織や細胞外液中に存在します。
血液中に存在するCaは約0.1%にすぎませんが、種々の生理機能調節に重要な役割を果たします。
副甲状腺ホルモン(PTH)と、活性型ビタミンDにより、腸管からの吸収、骨での出入り、腎尿細管での再吸収の各段階で調節されています。
したがって、これらのホルモン作用の異常、あるいは腸管、骨、腎などの標的臓器の異常により血中Ca値に異常をきたします。
血清カルシウムの日常検査法は、OCPC法、MXB法、酵素法、アルセナゾⅢ、法など多くの測定方法が存在すします
副甲状腺ホルモン(PTH)と、活性型ビタミンDにより、腸管からの吸収、骨での出入り、腎尿細管での再吸収の各段階で調節されています。
したがって、これらのホルモン作用の異常、あるいは腸管、骨、腎などの標的臓器の異常により血中Ca値に異常をきたします。
血清カルシウムの測定法
血清カルシウムの日常検査法は、OCPC法、MXB法、酵素法、アルセナゾⅢ、法など多くの測定方法が存在すします
(1)o-CPC法
検体中のカルシウムは,ホウ酸緩衝液(pH:11.0)中でキレート剤であるo-クレゾールフタレインコンプレクソンと赤紫色のキレート錯体を形成し呈色する.これを570nmにて比色し,カルシウム濃度を求める.(2)MXB法
検体中のカルシウムは,モノエタノールアミン緩衝液(pH:12.0)中でキレート剤であるメチルキシレノールブルーと青色のキレート錯体を形成し呈色する.これを700nmにて比色し,カルシウム濃度を求める.(3)CPZ法
中性条件下において,クロロホスホナゾⅢは検体中のカルシウムと結合しキレート化合物を形成,呈色する.これを660nmにて比色し,カルシウム濃度を求める.(4)ASZ法
中性条件下で,アルセナゾⅢと血清中のカルシウムは青色キレート錯体を形成し呈色する.これを700nmにて比色し,カルシウム濃度を求める.(5)酵素法
検体中のカルシウム量に応じて試薬中のホスホリパーゼDが活性化され,基質であるビス(p-ニトロフェニル)リン酸に作用することにより,p-ニトロフェノール(pNP)とp-ニトロフェニルリン酸が遊離する.このpNPの660nmにおける吸光度の増加速度を測定し,カルシウム濃度を求める.カルシウムの基準値
血清カルシウム値・8.2~10.0mg/dl(ο-CPC)
・8.8~10.2mg/dl(MXB)
尿カルシウム値
・0.10~0.30g/day
カルシウムの補正式の必要性
清Caの約50%は血清蛋白質(大部分はアルブミン)に結合している。そのため、血清総Ca測定時には必ず血清アルブミンを測定し、Payneの式などにより補正する必要があります補正Ca値(mg/dl)=血清総Ca値(mg/dl)+4-血清アルブミン値(g/dl)
血中カルシウム高値
サルコイドーシス、カルシウム排泄障害、腎不全、褐色細胞腫、骨代謝異常、致死性不整脈、意識障害、甲状腺機能亢進、多発性骨髄腫、Addison病、ビタミンD中毒、ミルク・アルカリ症候群、悪性腫瘍、悪性腫瘍、筋麻痺、原発性副甲状腺機能亢進症など高カルシウムのパニック値:血中Ca濃度が12mg/dl以上の場合、致死性不整脈,筋麻痺,意識障害などで死に至るため主治医にただちに報告する必要があります
血中カルシウム低値
低Ca血症性テタニー、アミロイドーシス、急性膵炎、敗血症、ビタミンD欠乏、副甲状腺機能低下症など低カルシウムのパニック値:血中Ca濃度が6mg/dl以下の場合、低Ca血症性テタニーをきたすため主治医にただちに報告する必要があります
カルシウムは,筋収縮,神経伝導,ホルモン分泌,および血液凝固が適切に機能するために必要で,他の様々な代謝過程には適切なカルシウム濃度が必要です。体内におけるカルシウム貯蔵量の維持(低カルシウム血症または高カルシウム血症を避けるため)は,以下に依存します
•食事からのカルシウム摂取
•消化管からのカルシウム吸収
•腎臓からのカルシウム排泄
エルデカシートと高カルシウム血症
エデカルシートにより高カルシウム血症となる場合があります。
骨粗鬆症薬であるエルデカルシトールは、高カルシウム血症を引き起こすことが知られており、定期的に血清カルシウム値を測定いただくよう、添付文書にて注意喚起されております。
高カルシウム血症を認めた副作用報告において、血清カルシウム値が定期的に測定されていない事例が報告されております。※PDMAより引用
エデカルシート販売名(製造販売元)
・エディロールカプセル0.75μg
・エルデカルシトールカプセル0.5μg「サワイ」
・エルデカルシトールカプセル0.75μg「サワイ」
・エルデカルシトールカプセル0.75μg「日医工」
・腎機能障害、悪性腫瘍、原発性副甲状腺機能亢進症の合併、カルシウム製剤の併用等、高カルシウム血症を起こすおそれのある患者さんに対しては、投与初期に頻回に血清カルシウム値を測定することが重要です
また症状の確認も重要とされます
高カルシウム血症の症状倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下等が出たら
すぐに受診するよう患者さんやその家族へ指導することも高カルシウム血症の早期発見の手掛かりとなるため重要です
2)PMDAからの医薬品適正使用のお願い
3)カルシウム濃度測定試薬5試薬の比較検討医学検査Vol.58No.72009
高カルシウム血症を認めた副作用報告において、血清カルシウム値が定期的に測定されていない事例が報告されております。※PDMAより引用
エデカルシート販売名(製造販売元)
中外製薬株式会社
・エディロールカプセル0.5μg・エディロールカプセル0.75μg
沢井製薬株式会社
・エルデカルシトールカプセル0.5μg「サワイ」
・エルデカルシトールカプセル0.75μg「サワイ」
日医工株式会社
・エルデカルシトールカプセル0.5μg「日医工」・エルデカルシトールカプセル0.75μg「日医工」
エルデカシートによる高カルシウム血症と血液検査の必要性
定期的な血液検査を実施せずに高カルシウム血症が生じた症例などは、医薬品副作用被害救済制度においても適正な使用とは認められず、救済の支給対象にならない場合があります。血清カルシウム値の定期的な検査の重要性
・本剤投与中は血清カルシウム値を定期的(36カ月に1回程度)に測定することが重要です・腎機能障害、悪性腫瘍、原発性副甲状腺機能亢進症の合併、カルシウム製剤の併用等、高カルシウム血症を起こすおそれのある患者さんに対しては、投与初期に頻回に血清カルシウム値を測定することが重要です
また症状の確認も重要とされます
高カルシウム血症の症状倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下等が出たら
すぐに受診するよう患者さんやその家族へ指導することも高カルシウム血症の早期発見の手掛かりとなるため重要です
出典
1)SRLHP2)PMDAからの医薬品適正使用のお願い
3)カルシウム濃度測定試薬5試薬の比較検討医学検査Vol.58No.72009
4)「医機なび(http://www.iryokiki-navi.com/)」より一部引用
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