バーチャルスライドとは
取込方式はスライドを相対的に移動させて主に矩形の撮影画像を合成してスライド全体の画像を作成する事を指します
バーチャルスライドの活躍が見込める領域
1)患者への病理結果説明:外来や病棟で病理像を示しながら患者に病状説明できより丁寧なインフォームドコンセント、患者から理解や協力が得られやすいことがある
2)院内教育ツールと医療の質の向上(EBM)病理報告書を読みながら病理組織像を確認出来ることで病理標本のダブルチェック(臨床医と病理医)臨床各科の症例検討で利用しやすい利点が挙げられる。
その他テレパソロジーやコンサルテーション、サーベイなどに有用で実際に細胞学会の施設認定のサーベイではバーチャルスライドサーベイが行われています。
バーチャルスライドによる業務改善
実際バーチャルスライド導入によって取込や確認という作業は発生しますが病理業務を担当する技師や医師補助の方の業務軽減にもつながります。
※ バーチャルスライドによる業務軽減
・標本の仕分け・配布業務などの廃止
・配布用標本の作製中止
・標本整理・標本取りだし作業の軽減
・標本貸し出し中や紛失
・標本保管場所の確保
バーチャルスライドの課題
良い事ばかりではなく様々な問題点や課題もあります
※バーチャルスライドの問題点
・機器の価格や性能
・ハードウェアの性能(速度、安定性、容量)
・ソフトウェアの性能
・セキュリテイ対策
・人材(画像専門技師の育成,病理IT情報認定技師)
バーチャルスライド作成方法
デジタルカメラ方式とスキャンするスキャナ方式があり2方式には特徴があります。
※
取り込み方式とその特徴
デジタルカメラ方式
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スキャナ方式
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撮影速度
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遅い
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早い
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フォーカス精度
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良い
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不良
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メーカー
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クラーロ
オリンパス
ZEISS
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浜松ホトニクス
Aperio
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バーチャルスライド機器導入に際しては取込枚数や、病理部門で使用している検査システムとの運用実績や電子カルテ実績で決めた方がよいでしょう
バーチャルスライド作成時の注意点
組織の皺、重なり、折れ曲がり、異物の混入、カバーガラス封入時の空気の混入などが
画像取込時に悪影響を及ぼします。
る画像取込が終了したら取込画像の診断適正・不適正の判定を行います。
※ 診断不適正な例
a. ピントが合っていない
b. 目的とした全ての領域の画像取込が達成されていない
c. 取込画像の明るさ、精細度などが期待レベルに達していない
d. Z軸方向への画像取込が診断必要性を満たしていない、などである。
再度、診断に必要な画質を担保できる画像取込を行いましょう。
臨床検査技師による画像作製・管理運用
質の良いバーチャルスライド画像を得るためにはよいプレパラート標本が必要となります。どんなにAIヤ遺伝子、バーチャルスライドの技術が進んだとしても根本的な“良い標本をつくる”という事は変わりませんので常に良い標本の作製を目指しましょう。
参考資料:デジタル病理画像を用いた病理診断のための手引き
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