認定病理技師:2022年の小論文問題と解答の考え方と見本

2024年8月27日火曜日

キャリア形成 資格取得情報 情報 病理・細胞診 臨床検査技師になりたい

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2022年度の認定病理技師資格試験の小論文問題の解答を自分なりにまとめましたので、解答してみました。受験を考えている方は参考にしてください。

問題

医療法改正やゲノム医療など、病理検査を取り巻く環境は日々変化している。そのような背景があるなかで社会的要求事項として、医師の働き方改革や多職種連携が求められている。病理検査室を管理する認定病理検査技師としてできることをキーワード6つ用いて1200字以内で書け。

自分が考えたキーワード

【コンパニオン診断薬】【医療法】【働き方改革】【システム化(DX化)】【PDCAサイクル】【人員管理】

キーワードの解説

【コンパニオン診断薬】

治療薬がに効果があるかどうか、治の前にあらかじめ検査することを、コンパニオン診断といい、その診断のために使う薬がコンパニオン診断薬とされる。

【医療法】

臨床検査に関連した医療法改正に関しては、2018年に改訂されたものが、直近のものでは大きく検査室運営に対して影響を及ぼした。標準作業手順書、機器整備台帳、測定作業日誌の整備等が義務化された。

【働き方改革】

厚労省によると “「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。”としている。2024年からは医師の働き方改革が義務化され勤務時間は医師の時間外労働時間は原則として年960時間、月100時間未満に制限されます。

【システム化(DX化)】

デジタル・トランスフォーメーション (DX) とは、テクノロジーを導入し活用するという意味だけでなく、テクノロジー導入に伴い企業が新たなスキルを身につけ、働き方、ワークフロー、ビジネスモデル全体を見直し変革していくことです。(出典 IBMのHPより引用)

【PDCAサイクル】

品質マネジメントにおける考え方の一つ。P=Plan、D=DO、C=CHECK、A=ACTでこれら4項目をP→D→C→Aの順で回転させていくことで常時問題点の改善と品質の向上を図る。

小論文解答の見本

現在、働き方改革が叫ばれており2024年に医師の働き方改革も行われ、臨床検査技師の業務においても働き方改革や更なる業務の効率化が要求されてくる。しかし病理業務においては近年増加している分子標的薬仕様のためのコンパニオン診断薬を用いた検査とその標本作成件数が増加しており、20~30年前と比較しても業務量は増加している。また2018年の医療法改正により標準作業手順書や、試薬管理台帳、機器整備手順書などの整備も義務化されたことにより業務量は増加をきたし、働き方改革が叫ばれているにもかかわらず、業務量は増加を辿っている状況である。

特に医療法改正により業務量が増加し、とりあえず手作業で台帳類の整備を行いそのまま業務を行った場合、業務負担が大きく、特に人数の少ない施設では負担が大きい。また日報や機器整備台帳等はシステム化する事で作業は簡素化できるシステム化(DX化)を踏まえた業務の再構成が望ましいと考えられる。

また業務内容を見直す必要もある。特定の人物に負担が偏っていて、休暇を取得しにくくなっている事もある。業務の洗い出しを行い文書化し誰でも作業可能とすること、簡素化した結果としてクオリティは安定する。手作業で行っている作業は可能な限り自動化・システム化を行うことで業務負担軽減が図れる。そのための機器やシステムの購入が望ましく、導入すべく経営陣と交渉する必要がある。交渉のためにもスタッフの教育と一丸となって交渉出来るようまとめ上げることも部門責任者として果たすべきは大きい。

また最高の機器、システムが整備された労働環境があったとしても、そこで働く技師がいなければ業務は成立しない。労働に対して正当に評価される、また意見が言いやすい環境がないと離職につながりやすくなると長年の経験上感じている。従事する病理部門のスタッフが働きやすくなるように意見を出し合いながら、日常業務に対してPDCAサイクルを機能させるための環境づくりも責任者として重要な責務である。

スタッフをまとめ上げ業務を良い方向に持っていけるように認定病理技師として日々の業務に取り組みた働き方改革を成し遂げたい。

さいごに

2022年度の認定病理技師資格試験の午後の小論文試験では働き方改革が出題されております。病院の研修会でのグループワークのテーマで働き方改革に対して意見を出し合って議論したことも少なくないと思います。自分はこれまで中間管理職として経験したこと、病理での経験などを踏まえ上記解答となりました。若い方はISOや品質マネジメント、コンパニオン診断関連の業務が増えたことを書くであろうと思いますが、これも間違えではありません。これが正解“と言うものはなく、受験される方の役職や経験値で答える内容は変わってくると思いますので、一つの解答の案として参考にしていただければ幸いです。起承転結をきれいにまとめ経験談や認定病理技師、キーワードを用いて記述すれば問題ないと思います。

この記事を読まれて”自分はこう考えた!”と思った方、”今年受験したいから見てほしい”方はコメントに小論文の解答を記載していただければ添削しますのでコメントしていただければ幸いです。

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