FDPとDダイマーの測定意義と逆転現象

2018年6月17日日曜日

血液学的検査

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FDPとDダイマーの測定意義

PDPはフィブリンやフィブリノゲンの分解産物の事をさし、Dダイマーはフィブリン分解産物の一つである安定化フィブリンの分解産物です。FDPは一次線溶と二次を反映するマーカーでありますが、Dサイマーは二次線溶を反映します

フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP) 

FDPの測定は下記のような場合に行われる
・線溶亢進状態や凝固亢進状態の存在を疑うとき.
・播種性血管内凝固症候群(DIC)や血栓症の診断や治療経過の観察.
・線溶療法の経過観察時

Dダイマー

下記のような場合に行われる
・線溶亢進状態や凝固亢進状態の存在を疑うとき
・播種性血管内凝固症候群(DIC)や血栓症の診断や治療経過の観察
・線溶療法の経過観察時

基準値

・FDP:15μg/ml 
・Dダイマー:150ng/ml以下

※引用:シスメックスプライマリケア

基本的にFDP>Dダイマーなのですが稀にですがFDPとDダイマーが逆転する現象が認められます。特に二次線溶が亢進するような疾患で認められます


FDPとD-ダイマーが逆転する要因

フィブリン産生のスピードが速く分解が追いつかない場合・・・線溶抑制型DIC、悪性リンパ腫、子宮頚癌

・測定試薬の非特異的反応・・・リウマトイド因子、γ-グロブリン血症、HAMA陽性者

FDPとDダイマー逆転の回避法

三好らによるとIgMがFDPとDダイマーの解離の原因となる場合DTTが効果的であったと報告している。DTT は安価で,比較的容易に入手することが可能な試薬であることから処理によりIgM を不活化でき非特異反応が疑われる症例において,非常に有用であったとしている。
引用;Dithiothreitol is useful
for inversion of D-dimer and fibrin degradation product:A case report
Masashi

またFDP試薬とDD試薬の会社が異なると(例 院内検査と外注検査),逆転の可能性がありますので確認しておいた方が良いです


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