心筋梗塞の血液検査項目とCK値のモニタリング

2018年6月16日土曜日

血液学的検査 生化・免疫学検査 生理検査

t f B! P L

心筋梗塞の血液検査項目としてのCK

CK(クレアチンキナーゼ)は脳や心筋に多く含まれれことから心筋・骨格筋の指標として有用な検査項目です。特にCKMBは急性心筋梗塞の有用性が高く診断に用いられています

急性心筋梗塞の診断に必要な血液検査
・CK
・CKMB
・AST
・トロポニン(I)/トロポニン(T)
・ミオグロビン

トロポニンは発症後ゆるやかに上昇するため発症後数日経過しても陽性を示す。ミオグロビンはCKより早期に遊出して上昇するが消失もはやい。また骨格筋にも含まれるため特異性が低いとされ血清中の逸脱酵素値の上昇は身体所見の発現や心電図変化に比べ数時間以上は遅れます。
またCK上昇とCKMB値の上昇を伴うと心筋梗塞が確定的になり、またその時のCKのピークの値は梗塞巣の大きさ(壊死部分)に比例します

心筋梗塞の治療


※病院の検査の基礎知識より引用
・経皮的冠動脈形成術
・血栓溶解療法

心筋梗塞に対する治療後は,患者の状態の変化が著しいので頻繁に各種検査を行う必要があります

血液検査のモニタリング

心筋梗塞のモニタリングとしてCK値のピーク値が梗塞量をよく反映し、CK値の測定は3時間ごとにおこなう必要がある。
1)3時間ごとに測定して最高値を求める
2)1)の最高値とそれを得るまでの時間より梗塞巣の大きさを推測する

データの解釈

1)CK,CK-MB 遊出動態による梗塞サイズの算出
心筋マーカーの経時的測定により得られる遊出動態の曲線下面積(AUC: area
under curve)から梗塞サイズを算出することが可能である

梗塞サイズの定量化はこれまでCK あるいはCK-MBによって行われてきたが,最近では心筋特異性が高い心筋トロポニンI やT が用いられ心筋トロポニンT のピーク値,あるいは72~96 時間値は梗塞サイズと相関するが,心筋トロポニンI もトロポニンT も,ピーク値より発症後72 時間値が梗塞サイズと最もよく相関するという報告がある
※ 引用 ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)

再疎通療法の普及に伴い閉塞冠動脈の早期再疎通CK流出動態に大きく影響され
冠動脈閉塞後早期に再疎通するとCKは血中へ短時間に急激に流出することが報告されています(ウオッシュアウト)。心筋梗塞の発症からピーク値までの時間はですが24時間ですが12時間までに短縮されます。

このブログを検索

QooQ