採血の順番とシリンジ採血と翼状針採血の採血順番の違い

2018年9月10日月曜日

遺伝子検査 一般検査 血液学的検査 生化・免疫学検査 輸血検査

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採血と血液検査値への影響


臨床検査では生化学検査や腫瘍マーカー、ヘモグラムや、凝固検査、血液培養に尿検査、インフルエンザもあれば病理細胞診検体もあります
適切に採取されないと正確な検査データを得ることができませんので、とにかく検査項目に応じて様々な器材を用いて検体採取を行わねばなりません

 採血管が多い理由

採血管はそれぞれ検出目的により様々な成分が入っております。この採血管内の成分が反応することにより測定できない検査項目も存在してきます
EDTAで検査不可能な項目:カルシウム、鉄
・フッ化ナトリウム:ナトリウム
また凝固検査の採血管には液体が入っていますので検体が希釈された測定結果が出てきます。適切な採血管を使用しないと採血管内の成分が影響を及ぼしますので極力検査室が指定している採血管を使用します

 使いまわしのきく採血管の組み合わせ

しかし検査に応じて採血管を準備せねばなりませんが、高齢者や採血困難者など状況によっては採血困難な場合が存在します。この場合は同時に取る場合には使いまわしが可能ですというか使い回せるか検査室に確認しましょう。
 


CBCの検体でBNP測定
CBCの検体でアンナニア測定
BNPは室温保存だと値は低下しますし、アンモニアの値は上昇します。
この組み合わせの場合追加オーダーがあった場合は、検体採取時間と提出時間には注意が必要です。またBNPは遠心分離を行いますのでBNP測定後のCBC測定は不可能です。

採血と採取する採血管の順番

凝固系を最初に採取するとクエン酸が混入されているため真空圧が低くなり規定量がとれません。クエン酸の影響を受けない生化学系の検体を最初に採取し、凝固系は2番目にとるようにします。また凝固検査など採血量が決まっているものは空打ちして採取したほうが良いです
針を血管に入れてすぐ出てきた血液には損傷した細胞からの組織液が若干含まれます。
組織液が混入すると、凝固の原因になる可能性があります。特に凝固検査は検査値に影響を受けやすく、例えば1本目と2本目ではAPTT値に約20%の差が出る場合があります。 長い時間駆血帯を締めていると、組織液の混入や細胞成分によっては血管にとどまることから、凝固検査、ヘモグロビン、白血球数などの測定値に影響を与えます。

※シリンジ採血と翼状針採血の採血順番の違い
翼状針採血
シリンジ採血
1)    生化学
1)凝固
2)凝固
2)血算
3)血算
3)血糖
4)血糖
4)生化学

このためシリンジ採血と翼状針採血では採血の順番が異なってきます

  採血の手順


① 医師からの指示項目と、対象者の疾病・病態から採血目的をアセスメントする
② 対象者の名前、指示項目と採取する採血管を照合する。
  ※ 血糖値やホルモン値の検査など、採血のタイミングに注意を要する項目がないかを確認する
  ※ 採血管のキャップの色で、何を調べるかを見分けることができる
③ 採血に必要な物品をもち、患者のもとへ行き誤認確認のためフルネームで名乗ってもらい検体の名前ラベルと照合する
④ 患者の理解度に合わせて、採血方法を説明し、協力してほしい事項を伝える
⑤ 採血に適した血管を選択し、駆血帯を巻いて血管を怒張させアルコール綿で消毒する
⑥ アルコール綿の消毒が乾いたら、穿刺する
  ※ 穿刺時に神経症状や疼痛を訴えたときは、速やかに抜針する
⑦ 採取する検体の順番に注意しつつ、規定量の採取する
⑧ 駆血帯を外し、穿刺部にアルコール綿を軽くあて抜針する
⑨ 針刺し事故を起こさないよう、抜針した針は専用の廃棄容器に破棄する
⑩ 5分間ほど圧迫止血し、止血確認後は絆創膏を貼る
⑪ 採取した検体は速やかに検査科など所定の場所へ提出する

採血時の注意点

グーパー・グーパーによる K(カリウム)への影響が報告されています採血時にクレンチング(いわゆる、グーパー・グーパー)を行うことにより、K 値は最大 2.0mmol/l の上昇を示すという報告があります。

採血時に溶血させないコツ

・皮膚の消毒後は十分に乾燥するまで待ち穿刺を行う
・シリンジ採血の場合は、ゆっくり吸引する
・真空採血法は23Gより細い針を用いると溶血しやすい
23Gより細い針を使用する時は、シリンジ採血よりゆっくり吸引する
・シリンジ採血した血液を採血管に移す際は、針を外し注射筒の先を容器の壁につけてゆっくりと流し込む
・泡立たせないように注意する
・採血管の転倒混和の際、強く振ってはいけない
・注射器に残った泡は、押し出さないようにする(圧入しない)

血液を凝固させないコツ


採血した血液検体は生化学検査では検体は凝固してよいのですが、CBCや凝固検査、血沈などの検査項目では検体は凝固させてはいけません。このため採血後は5回程度店頭混和してよくかき混ぜてください。あまり強く振ると溶血しますので注意してください。こうすることで固まってはいけない検体は固まりませんし、固まらないといけない検体は早く固まりますので結果報告も若干ではありますが早くなります。

採血あとの検体放置による影響と提出するタイミング

採血検体の全血放置時間と検査結果への影響を下記表にしまします
  


室温
冷蔵
AST
上昇
上昇
ALT
上昇
上昇
LD
上昇

CK
低下
低下
TP
低下
低下
ALB
低下
低下
Na
低下

K
上昇
上昇
CL
上昇
上昇
 ※愛知県臨床検査ガイドラインより引用

採血後の放置は確実に検査値への影響を及ぼしますので血液検体の採取(採血)が終わった場合は速やかに検査室に検体を提出することが重要となります。

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