腫瘍マーカーやウィルス抗原など生化学分析装置による比色分析では定量的な限界があり免疫学的測定法を用います
免疫学測定法には、様々な測定方法があります。
・TIA法(免疫比濁法・比ろう法)
・LIA法(ラテックス凝集法・ラテックス凝集比濁法)
・イムノクロマト法
・固相免疫測定法(RIA、EIA、FIA、CLIA等)
測定対象によりそれぞれ最適な測定原理が選ばれ、それぞれ専用の装置にて測定が行われておりますが、試薬メーカーの企業努力により近年では免疫比濁法や免疫比ろう法を用いて汎用分析装置にて分析を行うことができる項目も多く存在します。CRPやIgG、IgA、IgMなどの汎用分析試薬がその典型です
免疫比ろう法:ラテックス粒子に結合させた抗体(または抗原)に、検体中の抗原(または抗体)を反応させ、抗原-抗体複合物を形成させます。
※MBLサイトより引用
その複合物に光をあて、散乱した光を測定することで、検体に含まれる抗原(または抗体)を定量します。
また感作させるラテックス粒子の大きさが試薬の測定性能に影響を及ぼします。
大型のラテックス粒子を使用すると高感度想定が可能となる一方で、小粒子のラテックスを用いた場合直線性が高い測定を行うことが可能です。ま大小異なる粒子を混ぜて高感度・広範囲の濃度域を測定可能とする測定試薬も販売されております
免疫比濁法:抗原に抗体を反応させ、免疫複合体の沈降物を形成させます。
※MBLサイトより引用
その凝集塊に光を照射して、散乱による照射光の減衰(吸光度)を自動分析器で計測して検体に含まれる抗原量を測定する試薬です。
比濁法メリット
・各種汎用の大型自動分析装置で測定が可能
・試薬の製造が比較的容易で安価である
・装置原理が簡単で小型軽量化が可能
比濁法デメリット
・ポリクロナール抗体を用いるため特異性に欠ける場合がある
・mg/mL-μg/mLの感度である
・溶血、乳び、ビリルビン血漿等の色のついた検体により測定値が影響を受ける事がある
比濁法と比ろう法の違い
比濁法
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比ろう法
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測光
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透過光の減衰
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散乱光の増幅
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感度
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低
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高
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比濁法は試料を通る光(透過光)の減衰(=「吸光度」)を自動分析器で計測して検体に含まれる物質量を測定する方法です。つまり吸光度変化を利用します。一方で比ろう法は試料により散乱された光(散乱光)の増幅を自動分析器で計測して検体に含まれる物質量を測定する方法です。要するに散乱光測定法により測定します。一般的に比濁法に比べて高感度で測定できるため,血清特異蛋白質の免疫学的定量法,イムノネフェロメトリー(immunonephelometry;免疫比朧法)として広く普及しています。
また比濁法と比ろう法に共通することですが抗原-抗体反応を利用しているため感度の高い即手が可能なのですが、異常反応に遭遇するということも頭の片隅に入れておかねばなりません
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