検査部門のJANISデータフォーマットの構成と入手方法

2021年9月6日月曜日

情報 微生物検査

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JANISとは

平成194月に施行された改正医療法により、すべての医療機関において管理者の責任の下で院内感染対策のための体制の確保が義務化されました。院内感染対策サーベイランス(JANIS)は、参加医療機関における院内感染の発生状況や、薬剤耐性菌の分離状況および薬剤耐性菌による感染症の発生状況を調査し、我が国の院内感染の概況を把握し医療現場への院内感染対策に有用な情報の還元等を行うことを目的としています。検査室としては検査により各種検体から検出される主要な細菌の分離頻度およびその抗菌薬感受性を継続的に収集・解析し、医療機関における主要菌種・主要薬剤耐性菌の分離状況を明らかにすることをその目的としております。(※JANIS HPより引用)

JANISサーベイランス参加要件と検査室での準備するもの


1.データ抽出と提出の実務担当者と責任者を指名、配置できること。

2.原則として自動検査機器による同定および微量液体希釈法による薬剤感受性結果を提出できること。

3.提出する細菌検査データの精度管理ができる体制が適切に構築されていること。

4.原則として毎月1件以上の検体提出患者数を有し、毎月サーベイランスデータを提出できること。

5.インターネットに接続可能なパソコンを用意できること。

JANISサーベイランスへの参加方法

例年春頃に厚生労働省が都道府県を通じて翌年1月からの参加医療機関を募集しており募集時期はJANISのホームページで案内は掲示されています

解析評価情報の利用


還元情報はPDF形式とCSV形式にて入手することが出来、委員会資料で活用されます。

・主要な菌および耐性菌の分離患者数推移

・主要な菌および耐性菌の分離率の昨年度全体デ-タとの比較

・主要な菌および耐性菌の病棟別、検査材料別分離患者数

・主要な菌の薬剤感受性推移が記載されております。

また自施設における分離率と全参加医療機関の分離率との比較が可能です

JANISサーベイランス提出データ作成方法

・提出デ-タ:細菌検査に関わる全デ-タ

・提出方法:共通フォ-マットに変換された抽出デ-タのWeb送信

・提出頻度:月1

・作成手順

1)検査システムよりデータを抽出

2)提出用フォーマットに変換

3)web送信

培養陰性検体の情報も含めた細菌検査に関わる全データを提出する必要があり検査部門で患者データのID化を行います。細菌検査に関わるデータを管理している細菌検査システム等からデ-タを抽出すします。また抽出時に提出用の共通フォーマットに変換されることが望ましいです。このJANISコードと部門システムの紐づけが検査システム更新時には重要となります

JANISデータフォーマットの構成と入手方法


JANIS参加の検査機関は施設の細菌検査データを定期的に送信する必要がありJANISフォーマットへ変換する必要がありJANISコードは下記のコードより構成されます

判定基準

・薬剤耐性菌判定基準

・薬剤耐性菌判定基準改訂内容

・検査部門特定の耐性菌判定基準

・検査部門特定の耐性菌判定基準改訂内容

・全入院患者部門感染症の判定基準

SSI部門手術部位感染判定基準

SSI部門手術部位感染判定基準改訂内容

ICU部門感染症判定基準

ICU部門耐性菌判断表

NICU部門感染症診断分類基準

コード表

菌名コード(検査部門用)

・菌名コード(ICUSSI)

・抗菌薬コード(検査部門用)

・薬剤感受性検査測定法コード

・疾病分類コード

・検査材料コード

・診療科コード

・治療部位コード

・転帰コード

・菌コード(全入院患者部門用)

・抗菌薬コード(全入院患者部門用)

・感染症診断名コード

・基礎疾患名コード

・手術手技コード

・創分類コード

ASAコード

・検体コード

・感染部位コード(ICU部門用)

・感染部位コード(SSI部門用)

またJANISコード下記のURL(https://janis.mhlw.go.jp/datacreation/surveydata.html)より入手できます。JANISフォーマットは350バイトのデータで1検体1レコードとなっております。1検体5菌種まで登録可能で菌名や検体はJANISのコードを使用す必要があります。またいくつかの必須項目がありますがキーコードとして

・医療機関コード

・患者   ID

・検体提出日

・検査材料

・検体番号

の5項目はキーコードとして重複防止に用いられています。


データやエラー・注意・警告の件数および還元情報のサンプルの確認ができます。JANIS事業への報告は、「参加医療機関専用サイト」を使用しますが、設定の変更を行った場合や、電カル更新時は報告用ファイルがJANISデータフォーマットに則った形式であるかを確認するため、最初のデータ提出までに「JANIS参加医療機関向けデータ送信試験サイト」から送信を行いましょう。その際はデータ送信試験サイトの利用申請を行いましょう。

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