2017年度第50回細胞検査士資格認定試験学科筆記(一次試験) 解答

2018年5月20日日曜日

細胞検査士試験情報 資格取得情報 病理・細胞診

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2017年度第50回細胞検査士資格認定試験学科筆記解いてみました

2017年度第50回細胞検査士資格認定試験学科筆記を細胞学会がホームページで公開しているものをダウンロードしました
10年ぶりに解いてみました。自分が分からなかった箇所を中心に解説を添えていますのでご参照ください

ダウンロード方法は細胞学会HPにアクセスし画面右の刊行物からイエローページにアクセスしてください。PDF形式で公開されております

解答(その1 総論)

(1)1(2)4(3)1(4)2(5)5(6)1(7)5(8)4(9)2(10)2(11)3(12)2
(13)3(14)2(15)2(16)5(17)1(18)4(19)5(20)2

解答(その2 技術)

(1)2(2)4(3)2(4)3(5)4(6)4(7)4(8)5(9)2(10)4(11)2(12)3
(13)5(14)4(15)5(16)1(17)5(18)5(19)2(20)4

解答(その3 体腔液・尿・その他)

(1)4(2)5(3)2(4)5(5)4(6)5(7)2(8)2(9)1(10)4(11)2(12)5
(13)2(14)3(15)5(16)3(17)3(18)4(19)5(20)3

解答(その4 呼吸器)

(1)4(2)4(3)2(4)2(5)2(6)2(7)2(8)4(9)3(10)4(11)2(12)1
(13)1(14)5(15)3(16)1(17)3(18)4(19)5(20)4

解答(その5 消化器)

(1)5(2)5(3)5(4)5(5)4(6)2(7)3(8)3(9)3(10)1(11)2(12)3
(13)5(14)1(15)3(16)2(17)3(18)2(19)1(20)2

解答(その6 婦人科)

(1)2(2)2(3)5(4)2(5)1(6)2(7)3(8)3(9)2(10)4(11)5(12)4
(13)3(14)4(15)2(16)5(17)5(18)4(19)5(20)5

解説 その1

総論

1.悪性 リンパ腫における免疫組織化学ついて正しものはどれですか.
A.CD3はT細胞マーカとして使用される. 
B.Bcl-2は反応性 リンパ 濾胞 と性リンパ腫の鑑別に使用される. 
C.CD20はT細胞マーカとして使用される. 
D.CyclinD1はNK/Tリンパ腫マーカとして使用される. 
E.CD79aはNK/Tリンパ腫マーカとして使用される.
①.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

※ CD20はB細胞マーカでCyclinD1はマントル細胞リンパ腫で陽性となる

2.アポトーシスについて正しものはどれですか.
A.強い炎症反応を引き起こす. 
B.DNA損傷を受けた変異細胞のみ除去する. 
C.消化管粘膜では恒常的に起こる. 
D.p53によって 誘導 される . 
E.ウイルス感染防御に対して機能ない. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

3. 正しい組み合わせはどれですか.
A.がん原遺伝子 ――――――― K-ras
B.細胞接着関連遺伝子 ―――― E-cadherin
C.がん原遺伝子 ――――――― p53 
D.細胞外基質分解関連遺伝子 ――――BRCA1 
E.血管新生因子遺伝子―――――――HER2
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

p53とBRCA1はがん抑制遺伝子で血管新生因子遺伝子はVGEFです

4. 関連性の深い組み合わせはどれですか.
A.HHV8(human herpes virusHHV8) ――― カポジ肉腫
B.エストロゲン ―――――――――― 膵臓癌
C.ビルハツ住血吸虫 ――――――― 悪性中皮腫
D.ジクロロプロパン ――― ――――― 子宮内膜癌
E.EB ウイルス(Epstein Barr virus) ― 上咽頭癌
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E
ビルハツ住血吸虫は膀胱扁平上皮癌、ジクロロプロパンは膀胱癌、エストロゲンは子宮体癌の原因となる

5. 正しい組み合わせはどれですか.
A.Apitz小体 —――――――――――  神経膠芽腫 
B.Asteroid小体 ―――――――――  悪性リンパ腫
C.Auer小体 ―――――――――――  神経内分泌腫瘍
D.Russell小体 —―――――――――  骨髄腫
E.CallExner小体 ―――――――
顆粒膜細胞腫
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

6.核内封入体が みられるウイルスはどれですか.
A.帯状疱疹ウイルス(varicella
zoster virus) 
B.サイトメガロウルス(cytomagalovirus)
C.C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus) 
D.インフルエザウス(influenza
virus) 
E.RS ウイルス (respiratory syncytial virus)
①.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

7.非上皮性腫瘍の良悪鑑別について誤っている ものはどれですか.
A.壊死の有無
B.核分裂像の数
C.細胞異型の程度
D.多核細胞の有無 
E.炎症(性)細胞浸潤の多寡 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

8.特異性炎として誤っているものはどれですか.
A.梅毒 
B.結核
C.インフルエザ肺炎
D.ウイルス性肝炎
E.サルコイドーシス
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

特異性炎は肉下種性炎症の一つ。病変に微生物による肉芽を認める。結核、梅毒、ハンセン病、サルコイドーシス、猫ひっかき病などが含まれる

9.非上皮性悪腫瘍はどれですか.
1.内軟骨腫
②.バーキットリンパ腫
3.血管芽腫
4.髄膜腫
5.骨軟腫

10.RNAウイルスはどれですか.
1.単純ヘルペス ウイ(herpes simplex
virus)
②.C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus)
3.EB ウイルス(Epstein)Barr virus)
4.サイトメガロウィルス(c
ytomegalovirus)
5.ヒト パピローマ ウイルス(human papilloma
virus)

11.細菌貪食能が最も高いのはどれですか
1.組織球
2.好酸球
③.好中球
4.リンパ球
5.骨髄巨核球

12.臓器・官の胚葉由来の組み合わせで正しいものはどれですか.
1.気管支 ――――外胚葉
②.甲状腺 ――――内胚葉
3.子宮 ―――――内胚葉
4.心臓 ―――――外胚葉
5.大脳 ―――――中胚葉

・外胚葉由来:神経、口腔、皮膚
・中胚葉由来:骨、軟骨、心臓、筋肉、血液細胞
・内胚葉由来:消化管、肺、甲状腺、膀胱

13.細胞の超微構造およびその機能組み合わせで正しいものはどれですか
1.核膜 ――――――内膜 ,中膜 ,外膜の3層構造
2.核小体 ―――――DNAと蛋白の複合体
③.滑面小胞体 ―――ステロイドホルモン合成
4.ゴルジ装置 ―――異物の分解 ,処理
5.リボソーム ―――ATP合成

14.細胞質の空形成を特徴とする腫瘍みはどれですか
1.骨肉腫
②.脊索腫
3.小細胞癌
4.扁平上皮癌
5.甲状腺乳頭癌

15.免疫組織化学で核に陽性反応を示すものはどれですか.
1.CD3
②.Ki -67
3.desmin
4.cytokeratin
5.chromogranin A

16.本邦のがん統計(2016年)について正しいものはどれですか.
1.女性で最も罹患率の高い癌は乳ある.
2.男性で最も罹患率の高い癌は 胃癌 である.
3.男女とも最死亡数の多い癌は大腸である.
4.癌で死亡する確率は男性より女が高い.
⑤.膵癌罹患率は男性より女が高い.

組織型別頻度
・男性:肺>胃>大腸
・女性:大腸>肺>胃
男性のほうが死亡率は高く年間の合計は肺>大腸>胃の順番です

17.細胞骨格について誤っているものはどれですか.
①.細胞骨格はマイクロフィラメント、中間径フィラメントの2つの要素からなる.
2.細胞骨格は形態の保持や小器官動き、小胞の輸送などに関与する.
3.上皮細胞に存在するケラチンは中間径フィラメトである.
4.筋細胞に存在するデスミンは中間径フィラメトである.
5.星状膠細胞に存在するグリア線維酸性蛋白(GFAP)は中間径フィラメントである.

細胞骨格は3つのフィラメントから形成され微小管<中間系フィラメント<アクチン(マイクロフィラメント)の順に大きくなり中間系フィラメントにはケラチン、ビメンチン、デスミン、GFAPが含まれる

18.細胞分裂について誤っているものはどれですか.
1.核小体が消失するのは有糸分裂前期である.
2.動原体が形成されるのは有糸分裂前中期である.
3.核膜が消失するのは有糸分裂中期である.
④.セントロメアのDNADNADNAが複製されるのは有糸分裂後期である.
5.核小体が再形成されるのは有糸分裂終期である.

19.誤っている組み合わせはどれですか.
1.肺小細胞癌 ―――――――――尿崩症
2.骨髄腫 ―――――――――――アミロイドーシス
3.インスリノーマ ―――――――低血糖発作
4.カルチノイド腫瘍 ――――――皮膚紅潮
⑤.胸腺腫 ―――――――――――筋萎縮性側索硬化症

20.誤っている
組み合わせ はどれですか.
1.一次予防 ――――――――――禁煙
②.二次予防 ――――――――――予防接種
3.二次予防 ――――――――――内視鏡検査
4.二次予防 ――――――――――子宮がん検診
5.三次予防 ――――――――――再発や転移を防ぐ治療

一次予防(ならない)二次予防(早く見つける)三次予防(二度とならない)と考えると理解しやすいかもしれません


解説その2

技術

1.正しいものはどれですか.
A.色収差は光の波長違いにより結像位置異なるである. 
B.開口絞りを絞ると分解能が増す. 
C.対物レンズの開口数が大きいほど焦点深度は 深く なる. 
D.顕微鏡写真の対物レンズはアポクロマートが推奨される.
E.開口絞りは対物レンズの数70 ~80 %に調整する.
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

開口数が大きいほど光が集まるため分解能が向上します。オリンパスの最も分かりやすいサイトに記載がありますので確認してください

2.Giemsa染色について正しものはどれですか.
A.標本塗抹後 の乾燥は禁忌である. 
B.厚い標本や重積性のある細胞観察に適して. 
C.脳脊髄液など細胞剥離の起こりやすい検体観察に優れている. 
D.一般的に 扁平上皮系細胞の観察には適さない. 
E.基底膜物質や上皮性粘液は異染を示す. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

3.免疫組織化学における陽性部位ついて正しみ合わせはどれですか.
A.TTF-1 —―――― ――――核
B.Napsin A ―――― ―――核
C.p40 —―――――――――細胞質
D.Podoplanin(D2-40) —――核
E.CD56 (NCAM) ――――細胞膜
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

4.免疫組織化学(酵素抗体法)について正しものはどれですか.
A.標識酵素ポリマー法では内因性ビオチン非特異反応が起こる. 
B.抗原賦活化にはマイクロウェーブやオトレを用いる. 
C.内因性ペルオキシダーゼの抑制には過酸化水素を用いる. 
D.抗体反応後生理食塩水にて洗浄する. 
E.観察には蛍光顕微鏡を用いる. 
1.A.B 2.A.E ③.B.C 4.C.D 5.D.E

5.正しいものはどれですか.
A.FISH法は細胞周期の分裂のみ検出可能である. 
B.CISH法は蛍光顕微鏡を用いて観察する. 
C.FISH法は細胞の同定が難しい. 
D.FISH法で過固定検体は,酵素処理を延長するとよい. 
E.FISH法で熱変性処理は100度で行う. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

6.湿固定前の乾燥標本について正しもはどれですか.
A.核は膨化するがクロマチン明瞭である. 
B.細胞質の染色性に変化は見られない.
C.再水和法ではスキムミルク が汎用される . 
D.再水和法は2日以内に処理を行うと良い.
E.乾燥後にアルコー固定をした標本で再水和法行うと染色性が改善する. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

7.正しいものはどれですか.
A.キシレンの管理濃度は1ppmである. 
B.作業環境測定は作業が行われていない時間帯に実施する. 
C.A測定は単位作業所の有害物質濃度分布平均的な状態を調べる. 
D.キシレンの測定報告書は3年間保存しなければならない. 
E.キシレンは発がん性高い. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

・キシレンの管理濃度は50ppmで記録は3年
・ホルムアルデヒド(FA)の管理濃度は0.1ppmで記録は30年保管です

8.顕微鏡について誤っているものはどれですか.
A.結晶成分を観察する際,コンデサー下げとると観察しやすい. 
B.ND50フィルターは平均分光透過率が50 %であることを示す.
C.偏光観察法は複屈折性を明暗や色のコントラスに置換えてする. 
D.FISH標本を観察する際,位相差顕微鏡を利用する. 
E.視野の明るさは開口数2乗に反比例する. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

9.穿刺吸引細胞診で誤っているものはどれですか.
A.腫瘍が大きい場合は辺縁よりも中央を穿刺した方良い. 
B.嚢胞部と充実がある場合には,を優先する.
C.吸引後に陰圧を解除してから針抜去する.
D.ガラスに吹き付ける際は一度注射筒から針を外して空気入れ直行う.
E.採取量が多い場合は上下左右にすりわせて均一化する.
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

10.Papanicolaou染色について誤っているものはどれですか.
A.染色液は使用前に濾過しコンタミの防止に努める. 
B.オレンジG<エオジンY<ライトグリーンの順で分子量が大きくなる. 
C.核の染色原理 は負電荷のヘマトキシリン と正電荷の核酸と結合である. 
D.EA -50 液の中に含まれるビスマルクブラウンは酸性色素である.
E.リンタグステ酸を用いるとオレジGの染色性を高め光輝が増す.
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

11.Papanicolaou 染色について誤っているものはどれですか.
A.細胞質の染色は分子量大きい素からする. 
B.ビスマルクブラウンは類脂質を染め細胞色に関与しない. 
C.細胞の透明度がよく重積した集塊観察可能である.
D.ギルのヘマトキシリンは硫酸アミニウムを含む. 
E.ギルのヘマトキシリンは進行性染色であるため分別を必要としない. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

12.誤っているものはどれですか.
A.Alcian blue染色で悪性中皮腫細胞は
,細胞質辺縁に陽性を示す. 
B.悪性中皮腫細胞のPAS陽性物質は
,ジアスターゼで消化されない. 
C.Grocott染色でノカルジアや放線菌は陰性ある. 
D.Fontana-Masson染色ではメラニン顆粒とクリプトコッカスが陽性を示す.
E.Berlin blue染色でアスベト小体は陽性ある.
1.A.B 2.A.E ③.B.C 4.C.D 5.D.E

13.誤っているものはどれですか.
A.Alcian Blue染色 ――――――
酸性粘液多糖類 ―― ―――― 青色 
B.Mucicarmin染色 —――――――上皮性粘液
―――― ―――― 赤色
C.Methylgreen pyronin染色
――RNA —――――――― ―――― 桃色
D.Fulgent反応 ――――――――RNA —――――――― ―――― 赤紫色
E.SudanⅢ染色 ――――――――DNA —――――――― ―――― 紫色 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

14.誤っているものはどれですか.
A.Alcian Blueは染色時間が長い場合,核もされることある.
B.Alcian Blue染色はpHの影響を受ける. 
C.Alcian Blue染色では核にヘマトキシリン適さない. 
D.PAS反応のシッフ試薬は室温で保存する.
E.PAS反応では塗抹乾燥後に95 %アルコーで5分程度固定し染色するとよい.
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

15.ホルムアデヒドについて誤っているものはどれですか.
A.管理濃度は0.1ppmである. 
B.6ヶ月毎に1回の作業環境測定を実施する義務がある. 
C.作業環境測定の記録は 30年間保存することが義務づけられている. 
D.ホルムアデヒドは空気よりや軽く,高い場所に滞留する. 
E.第1管理区分は作業環境が適切でないと判断される状態である. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

16.誤っているものはどれですか.
A.尿細胞診検体は量が多いので,早朝尿が望ましい. 
B.サコマノ法では正常の円柱上皮細胞 はあまり変化を示さない. 
C.噴霧法では固定液の量が少ないと核膨化や細胞質好酸性変見られる. 
D.洗浄液検体ではアルブミンを添加すること核の変性軽減き. 
E.喀痰の塗抹時にすり合わせる回数が多いほど核線や細胞破壊生じ. 
①.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

17.免疫組織化学における陽性部位ついて誤っているものはどれですか.
①.CD20 ――――――― ――――――
― 細胞膜
2.PgR —――――――― ――――――
― 核
3.WT -1 ――――――― ――――――
― 核
4.vimentin ―― ――― ――――――
― 細胞質
5.EGFR ――――――― ――――――
― 核

18.細胞診精度管理ガイドランについて誤っているものはどれですか
1.過誤については該当事項を記録し5年間以上保管しなければならない.
2.1日の検鏡枚数は90 枚を上限とする(1日の勤務時間が8時間の場合)
3.陽性例・疑判定報告に関しては,必ず細胞診専門医がチェックを行う.
4.細胞診陰性例報告書には検査士の署名を行う.
⑤.診断的誤診の場合で訂正報告書を追加発行した場合は,最初の報告書は破棄する.

19.液状化細胞診(Liquid based cytology:LBC 法)について誤っているものはどれですか.
1.細胞の重なりが少ない均一標本を作製することできる.
②.背景の情報が強調されやすい.
3.乾燥による不適正標本を減らすことができ.る
4.遺伝子学的検査が可能である.
5.作製者の技量による差が少ない.

20.体腔液の検処理法について誤っているものはどれですか.
1.漏出液は浸に比べて細胞変性が生じやすい.
2.体腔液と洗浄のクロマチン形態は異なる.
3.フィブリン塊は竹串等で充分ほぐす.
④.冷蔵すれば5日間保存可能である.
5.溶血処理に0.90.90.9%塩化アンモニウム溶液を用いると細胞変性が少ない.


解説その3

体腔液・尿・その他

1.泌尿器腫瘍について正しもの はどれですか .
A.膀胱上皮内癌は鏡で発見されることが多い . 
B.尿路上皮癌と扁平が共存する 場合は診断. 
C.膀胱癌は男性に多い . 
D.尿中腫瘍マーカとしてNMP-22 がある
. 
E.高異型度非浸潤性乳頭状尿路上皮癌では ,腫瘍細胞層が7層以上である .
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

2.上皮型悪性中腫の 典的な細胞像について正しもはどれですか .
A.Ⅰ型collagenous stromaがみられる
. 
B.広く淡明な細胞質を有する . 
C.著明な核形不整がみられる . 
D.相互封入所見がみられる . 
E.多核細胞が出現する . 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

3.体腔液の性状について正しものはどれですか .
A.腹膜偽粘液腫ではゼリー状が貯留する. 
B.肝硬変患者の腹水は白色膿性を呈する. 
C.健常者に心嚢液は存在しない. 
D.腫瘍性疾患によって貯留する体腔液は 漏出液である. 
E.体腔液にはヒアルロン酸が含まれる. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

4.非浸潤性乳管癌について正しものはどれですか .
A.壊死を伴うことはない. 
B.粘液産生性を示すことはない. 
C.腫瘍細胞の結合性は乏しい . 
D.細胞異型度のみでは浸潤癌と鑑別が難しい. 
E.不規則配列を伴う細胞集塊 は良性病変との鑑別 に有用である. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

5.甲状腺報告様式について正しものはどれですか .
A.嚢胞液でコロイドや濾上皮細を含まない場合は判定区分良性とする. 
B.濾胞癌は判定区分の悪性と容易に断できる. 
C.検体不適正とした標本はその理由を明記する. 
D.悪性の 疑いはその後組織学的検索で本区分80%以上が悪性であること望ましい.
E.判定区分の悪性に転移癌は含まない. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

6.甲状腺病変について正しものはどれですか .
A.腺腫様甲状では乳頭集塊みられない . 
B.亜急性甲状腺炎の判定では,血清抗サイログブリン体値も参考になる . 
C.ローピコイドは髄様癌を疑う指標となる . 
D.Basedow病は血中甲状腺刺激ホルモン<TSH>低値である . 
E.橋本病の背景には形質細胞も多くみられる . 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

7.Castleman病のリンパ節変で正しいものはどれですか
A.リンパ濾胞増生
B.壊死 
C.好酸球浸潤
D.好中球浸潤
E.形質細胞浸潤
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

8.血液系疾患について正しものはどれですか .
A.成人T細胞性白血病は末梢液中に花弁様がみられる
B.多発性骨髄腫は低カルシウム血症をきたす . 
C.後天性免疫不全症候群はHTLV-1の感染による
D.慢性骨髄白血病は汎球減少をきたす . 
E.急性前骨髄白血病はしば播種管内凝固を合併する . 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

9.乳腺穿刺吸引細胞診について誤っているものはどれですか .
A.充実腺管癌での出現細胞量は少ない . 
B.クサビ状集塊が認められた場合 ,硬化性腺症と癌の鑑別は容易である .
C.乳頭腺管癌(面疱型)では壊死物質が 認められること多い . 
D.良性葉状腫瘍では上皮成分と間質の両者が認められる . 
E.浸潤性小葉癌では細胞質内腺腔を認める ことが 多い . 
①.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

10.骨腫瘍における好発年齢との組み合わせついて誤っているものはどれですか
A.骨巨細胞腫 ―――――――――――20歳代 
B.脊索腫 ―――――――――――――50歳代 
C.軟骨腫 ―――――――――――――60歳代
D.軟骨肉腫 ――――――――――――10歳代 
E.軟骨芽細胞腫 ――――――――――10歳代
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

11.軟部腫瘍について誤っているものはどれですか .
A.血管肉腫はリンパ行性に転移しやすい. 
B.慢性リンパ浮腫を 先行として発生する血管肉Stewart-Treves症候群とよぶ.
C.顆粒細胞腫はジアスターゼ抵抗性のPAS反応陽性顆粒を含有する. 
D.胞巣状軟部肉腫の細質内に針結晶構造物を認める. 
E.胎児型横紋筋肉腫ではSYT-SSX融合遺伝子を認める
. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

12.良性異型尿路上皮細胞が中に出現しない状況とて正ものはどれですか.
1.カテール操作後
2.尿路結石
3.全身化学療法中
4.前立腺肥大症
⑤.腎嚢胞

13.悪性リンパ腫について正しものはどれですか
1 NK/T細胞リンパ腫ではEBウイルス感染は関与しない.
②.マントル細胞リパ腫では染色体転座t(11;14 )( q13;q32)がみられる.
3.濾胞性リンパ腫は本邦において最も頻度の低である.
4.菌状息肉腫はB細胞性リンパ腫の一種である.
5.バーキットリンパ腫の進行は緩徐である.

悪性リンパ腫は70種類以上の組織型に分類され非ホジキンリンパ腫が7割を占める。その非ホジキンリンパ腫のうち30%がびまん性大細胞型(DLBCL)である。またリンパ腫の発生にはウィルスが関与しEBVが関与するものとしてホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、NKTリンパ腫がある。

14.反応性中皮細胞について誤っているものはどれですか .
1.核は中心性である.
2.細胞質内に豊富なグリコーゲンを有する.
③.細胞質辺縁には偽線毛が発達している.
4.静止期中皮細胞と比べて体腔液に剥離しやすい.
5.腹膜透析に伴う水では大型集塊が出現する.

15.泌尿器細胞診について誤っているものはどれですか
1.機械的刺激,慢性の等で細胞異型を示す尿路上皮集塊が出現する.
2.反応性尿細管上皮胞は放射状の配列集団を形成することが多い.
3.反応性尿細管上皮胞はビメンチに比較的高い特異を示す.
4.回腸導管尿では変性した円柱上皮細胞がみられる
⑤.デコイ細胞はパピローマウルス の感染により発生する.

16.泌尿器細胞診について誤っているものはどれですか .
1.反応性尿細管上皮胞は路癌との鑑別を要する.
2.cytokeratin 20は尿路上皮癌細胞に陽性となる.
③.膀胱の扁平上皮癌は外反症患者に高頻度発する.
4.尿路上皮癌では再発率が高い.
5.低分化な前立腺癌は尿路上皮との鑑別が困難である.

17.リンパ節病変について誤っているものはどれですか
1.猫ひっかき病は化膿性リンパ節炎である.
2.亜急性壊死リンパ節炎は予後良好である.
③.Piringerリンパ節炎は蚊を介したウイルス感染症である.
4.サルコイドーシスでは非壊死性の類上皮細胞肉芽腫を認める.
5.結核性リンパ節炎では壊死背景に成熟小型球と類上皮細胞がみられる.

18.乳腺病変の診断について誤っているものはどれですか
1.小葉癌と乳管の鑑別にはE-Cadherinが有用である.
2.非浸潤性乳管癌との鑑別にp63染色が有用である.
3.CD10は筋上皮細胞のマーカとして有用である.
④.線維腺腫と非浸潤性乳管癌の鑑別には筋上皮細胞存在が有用である.
5.石灰化は乳腺の良性病変でも認められる.

19 .脳腫瘍について誤っているものはどれですか
1.GFAPは星細胞腫に陽性である.
2.膠芽腫は神経の中でも最悪性度が高い.
3.脳脊髄液のスクリーニングは転移性腫瘍も念頭におくべきである.
4.髄膜腫は上皮様細胞が渦巻き状を示す像特徴である.
⑤.神経鞘腫では真性ロゼットや偽がみられる.

20.隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)について誤っているものどれですか .
1.若年者から高齢者まで全ての年齢に発生する.
2.体幹部や上腕,下腿などに好発する.
3.組織像は紡錘形の腫瘍細胞が花むしろ構造を示す.
4.遺伝性疾患ではない.
⑤.他臓器に転移することが多い.


解説その4

呼吸器

1.本邦における肺癌の疫学(2016年)について正しものはどれですか.
A.がん死亡原因の第2位である. 
B.男性のがん死亡原因の第2位である. 
C.部位別がん罹患数では,大腸胃に次いで第3位である. 
D.女性の部位別がん罹患数では,乳房・大腸に次いで第3位である. 
E.相対5年生存率は48 .0%である.
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E
2016年国立がん研究センターがん情報サービスでは
男性は肺・胃・大腸
女性は大腸・肺・膵臓
男女合計では肺・大腸・胃の順番となる


2.集団検診における喀痰細胞ついて正しものはどれですか.
A.6ヶ月以内に血痰があったもの対象となる. 
B. 肺門部の扁平上皮癌発見が目的となる. 
C. 軽度異型扁平上皮細胞の集団検診区分は「B判定」である. 
D. 中等度異型扁平上皮細胞の指導区分は「6ヶ月以内の追加検査と跡」である.
E. 高度異型扁平上皮細胞の指導区分は「再塗抹」である. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E
肺がん検診は胸部エックス線と喀痰細胞診で行う
胸部セックス線は肺野型肺癌(腺癌)、喀痰細胞診で肺門部癌の早期発見を目的とする
対象となるハイリスクグループは1)50歳以上 2)喫煙指数(本数×年数)が600以上 3)6か月以内に血痰あり、その他の特殊業務(ウラニウム、アスベスト、ベンゼン取扱い)従事者である。また判定区分とその管理を下記に示す
・A判定は検体不良で再検査
・B判定は異型なし・軽度異系細胞で次回検査
・C判定は中等度いけいで6ヶ月以内の再検査
・D・E判定は高度異型・悪性で直ちに精査

3.中等度異型扁平上皮細胞について正しものはどれですか.
A.細胞の大小不同は目立たない. 
B.多辺形細胞が主体である. 
C.主に敷石状集塊で認められる. 
D.クロマチンは不均等に分布する. 
E. 細胞質はエオシンジG好性のもが多い. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

4.ニューモシスチ肺炎について誤っているものはどれですか.
A.病原体は虫である. 
B.しばサイトメガロウルス感染症を合併する . 
C.菌体は集塊を形成する . 
D.進行すると急激に増悪. 
E.分芽がみられる . 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

5.呼吸器ノカルジア感染症について誤っているものはどれですか .
A.肺に結節性病変を形成しない .
B.菌塊形成が著明である .
C.好塩基性の菌塊は硫黄顆粒と呼ばれる . 
D.好気性の放線菌症である . 
E.菌糸はZiehl Neelsen染色で陽性ある .
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

6.誤っているものはどれですか.
A.気管支擦過ブラシはスイドガラス面に数回強く押し付け細胞を十分着させる.
B.喀痰検体で血痰がある場合は液とその境界を採取する. 
C.喀痰採取後冷蔵庫で48 時間以内であれば検査を試みる
. 
D.気管支肺胞洗浄細診は間質性疾患において有用な検査である . 
E.穿刺吸引検体 の乾燥標本 は,アルコー固定後に再水和すれば染色性は改善さる . 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E


7.肺癌 細胞診判定の推組織型として使用しないものはどれですか.
A.非扁平上皮癌
B.非小細胞癌特定不能
C.浸潤性粘液腺癌
D.非角化型扁平上皮癌
E.大細胞癌
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

8.気管支の扁平上皮化生について誤っているものはどれですか .
A.炎症や喫煙などの刺激により起こる. 
B.発生過程として基底細胞などの増を経る. 
C.異型のない扁平上皮化生は前駆病変として取り扱われる. 
D.免疫組織化学では低分子量ケラチンが多くの場合陽性を示す. 
E.扁平上皮化生を発母地とする肺癌の頻度は低い. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

9.扁平上皮癌について誤っているものはどれですか.
A.非角化型は低分腺癌との鑑別が難しい. 
B.類基底細胞型は予後の良い組織亜である. 
C.扁平上皮癌マーカとしてはp63が最も特異性高い. 
D.角化型では種々の程度に相互封入像がみられる. 
E.形態学的に未分化でも扁平上皮癌マーカが陽性染まればとする . 
1.A.B 2.A.E ③.B.C 4.C.D 5.D.E

10.扁平上皮癌よりも腺を示唆する所見として誤っているものはどれですか.
A.集塊辺縁の核突出
B.微細な核クロマチンパターン
C.重積性のある層状細胞集塊
D.複数で核の辺縁に存在する小体
E.核の切れ込みや内細胞質封入体
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

11.小細胞癌について誤っているものはどれですか.
A.明瞭な核小体を認める
B.核の鋳型状配列を示す
C.核縁が薄く,線を認める
D.N/C比が高く,裸核状を示す
E.腫瘍細胞 径はリンパ球の3倍以上である 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

12 .正しいものはどれですか.
1. 肺胞でのガス交換は,上皮基底膜血管内を通して行う.
2.肺胞同士はLambert孔を交通している.
3.肺の栄養血管は動脈である.
4.リンパ管は肺胞壁から始まり,肺門に向う.
5.肺静脈は気管支に伴走する.

13.正しい組み合わせはどれですか.
①.シャルコー・ライデン結晶 ―― ―類円形好酸性顆粒状
2.アスベト小体 ―――――――― ―オレンジ~緑色の針状
3.肺胞蛋白症 ―――――――――― 黄緑色~褐の長幹骨状
4.アミロイド ―――――――――― オレンジG好染の無構造物
5.砂粒小体 ――――――――――― 黄金 色~紫色の同心円状構造をもつ形体

14.肺腫瘍の組織生検を行った結果,低分化で腫瘍であった.細胞は大型p40陰性,
ChromograninA陰性,TTF-1陽性であった.適切な診断名はどれですか
1.大細胞癌
2.非小細胞癌特定不能
3.非扁平上皮癌
4.肉腫様癌
⑤.腺癌

15.多発する肺腫瘍の免疫組織化学で以下結果を得た.最も考えられ原はどれか
CK7陰性, CK20陽性,TTF-1陰性,NapsinA陰性,CDX-2陽性
1.肺腺癌
2.肺扁平上皮癌
③.大腸管状腺癌
4.浸潤性 膵管癌
5.浸潤性 乳管癌

16.Ⅱ型肺胞上皮細について誤っているものはどれですか.
①. 細胞分裂をしない.
2. 明瞭な核小体を有している.
3. 層状封入体(層板小体)を有している.
4. 電子顕微鏡学的に細胞表面絨毛を有している.
5. 細胞質内にはリン脂富む分泌顆粒が存在する.

17.呼吸
細気管支の構造で誤っているものはどれですか.
1. 線毛上皮
2 .Club細胞(旧Clara細胞)
③. 杯細胞
4. 基底細胞
5. 平滑筋

18.誤っているものはどれですか.
1.日本人の肺腺癌は約8割にドライバー遺伝子変異が存在する.
2.EGFRおよびALK遺伝子検査は,原則的に腺癌成分を有する組織型で勧められる.
3.EGFR遺伝子検査は確立された高感度法が勧められる.
④.ALK遺伝子転座は,IHC法,FISH法,RT -PCR法のうちいずれか一つ方で確認する.
5.EGFR遺伝子検査は,細胞診 材料を用いることができる.

19.肺過誤腫の構成分について誤っているものはどれですか.
1.軟骨
2.気管支上皮
3.平滑筋
4.脂肪
⑤.ヘモジデリン貧食組織球

20.硬化性肺胞上皮腫(旧称:硬化性血管腫)について誤っているものはどれですか.
1.中年女性に好発する.
2.II 型肺胞上皮由来である .
3.通常,乳頭状成分充実性硬化(線維化)成分,出血がみられる.
④.術中 迅速組織診断では,腺癌との鑑別が容易ある.
5.まれに多発例やリンパ節転移を認める.

解説その5

消化器

1.口腔領域疾患について正しものはどれですか .
A.白板症は半数以上が癌化する . 
B.乳頭腫はヘルペスウィルスと関連がある . 
C.舌癌の好発部位は中央である . 
D.尋常性天疱瘡は自己免疫疾患である .
E.扁平苔癬では胞体内にケラトヒアリン顆粒を含む細がみられる. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

2.唾液腺腫瘍の細胞像特徴について正しもはどれですか .
A.腺様嚢胞癌では中間細がみられる . 
B.基底細胞腺癌では篩状配列がみられる . 
C.ワルチン (Warthin)腫瘍では好酸球がみられる
. 
D.多形腺腫では上皮の二相性がみられる . 
E.腺房細胞癌ではジアスターゼ消化PAS反応陽性顆粒を有する
. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

3.唾液腺腫瘍について正しものはどれですか .
A.多形腺腫 の悪性化はない . 
B.粘表皮癌は顎下腺に好発する . 
C.腺様嚢胞癌は若年発症が多い . 
D.基底細胞腺癌は低悪性度腫瘍である . 
E.唾液腺導管癌はしば壊死を伴う . 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

4.食道癌について正しものはどれですか .
A.女性に好発する . 
B.部食道が好発位である . 
C.小細胞癌は予後良好である . 
D.喫煙は危険因子の1つである . 
E.バレット食道は腺癌の発生母地となる . 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

5.大腸疾患について正しものはどれですか .
A.潰瘍性大腸炎では偽膜を認める . 
B.クローン病では乾酪性肉芽腫を認める . 
C.大腸神経内分泌腫瘍は直に好発する . 
D.腸結核の診断ではZiehl Neelsen染色が有用である . 
E.アメーバ赤痢の診断ではGrocot染色が有用である
. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C ④.C.D 5.D.E

6.大腸病変について癌化と関係の深ものはどれですか .
A.絨毛腺腫
B.過形成性ポリープ
C.若年性ポリープ 
D.炎症性ポリープ
E.家族性大腸腺腫症
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

7.Helicobacter pyloriについて正しものはどれですか
A.ウレアーゼ活性により一酸化窒素を産生する . 
B.グラム陰性らせん状桿菌である .
C.細胞診での観察にはGiemsa染色が適している
. 
D.マントル細胞リパ腫と関連性が高い . 
E.腸上皮化生粘膜に多く存在する . 
1.A.B 2.A.E ③.B.C 4.C.D 5.D.E

8.肝臓の病変について正し組み合わせ はどれですか.
A.B型肝炎ウイルス ――――――RNAウイルス
B.非アルコー性脂肪肝炎 ―――― 再生結節
C.高度異型結節 ―――――――― 細胞密度増加
D.限局性結節過形成 ―――――― 癌化
E.肝内胆管癌 ――――――――― 胆汁産生 5. D.E
1.A.B 2.A.E ③.B.C 4.C.D 5.D.E

9.膵solid pseudopapillary
neoplasm(SPN)について正しものはどれですか .
A.良性腫瘍である . 
B.若年女性に好発する . 
C.線維性被膜を有することが多い . 
D.ホルモン過剰症状がみられる . 
E.免疫組織化学で通常chromogranin A陽性である
. 
1.A.B 2.A.E ③.B.C 4.C.D 5.D.E

10.膵粘液性嚢胞腫瘍について正しものはどれですか
A.膵尾部に好発する . 
B.卵巣様間質を認める . 
C.悪性病変は含まない . 
D.中年男性に好発する . 
E.膵液細胞診で断は容易ある . 
①.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E


11.超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引細胞診(EUS-FNAC)について正しものはどれですか .
A.微量腹水は適応病変である . 
B.偶発症の頻度は10%程度である . 
C.嚢胞性病変では積極的に行われている . 
D.出血傾向のある 患者の検査 に適している . 
E.セルブロック法による 免疫組織化学は補助的診断有用である. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

12.細胞診のGiemsa染色で異性を示す唾液腺病変はどれか .
A.木村病
B.腺様嚢胞癌
C.基底細胞腺腫
D.MALTリンパ腫
E. ワルチン(Warthin)腫瘍
1.A.B 2.A.E ③.B.C 4.C.D 5.D.E

13.膵管内乳頭粘液性腫瘍 (IPMN)について正しものはどれですか .
A.膵体尾部が好発位である . 
B.主膵管型は手術適応がない . 
C.子宮 頸管型は亜分類の一つである . 
D.主膵管型は分枝に比べ ,悪性の頻度が高い . 
E.膵液細胞診で上皮内腫瘍性病変との鑑別は困難ある . 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

14.胆嚢について正しものはどれですか
A.粘膜筋板はない . 
B.広基性ポリープは悪の頻度が高い . 
C.上皮は重層扁平からなる . 
D.胆嚢腺筋症は前癌病変である . 
E.コレステロールポリプ にはリンパ球の集簇を認める . 
①.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

15.高分化型肝細胞癌の像で正しいものはどれですか
A.細胞の大型化
B. N/C比の増大
C.核異型は乏しい
D.核の大型均一化
E.細胞質境界不明瞭
1.A.B 2.A.E ③.B.C 4.C.D 5.D.E

16.口腔細胞診について正しものはどれですか
A.細胞診前にうがいを行. 
B.表層型細胞の採取が重要である . 
C.子宮頸部細胞診と比較して量が多い . 
D.標本作製に液状化検体細胞診法は適さない . 
E.採取法は病変部を均一な圧力で10 回程度擦過する
. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E
口腔細胞診は深層型細胞の出現が重要である。また細胞診に不慣れな歯科医のためにLBCの利用が有用である

17.消化管間質腫瘍(GIST)について正しものはどれですか .
A.若年発症が多い . 
B.胃粘膜下腫瘍では最も多い . 
C.免疫組織化学ではC-KITKITKITが有用である
. 
D.リスク分類では p53p53p53の免疫組織化学が用いられる
. 
E.超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引細胞診(EUS-FNAC)の適応ではない
. 
1.A.B 2.A.E ③.B.C 4.C.D 5.D.E

18.消化器細胞診検体で感染症法に基づく届け出が必要な病原はどれですか
A.Mycobacterium
tuberculosis(結核菌) 
B.Toxoplasma gondii (トキソプラズマ)
C.Cytomegalovirus (サイトメガロウルス)
D.Clonorchis sinensis(肝吸虫) 
E.Entamoeba histolytica(アメーバ赤痢) 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

19.唾液腺腫瘍における筋上皮細胞を免疫組織化学的検索する際用いものはどれですか
①.p63
2.CK7
3.CD20
4.TTF-1
5.desmin

20.胆汁細胞診で良悪性の鑑別に有用でないものはどれですか
1.核形不整
②.大型核小体
3.核の配列不整
4.集塊辺縁の凹凸不整
5.核クロマチンの増量

その6

婦人科

1.正しいものはどれですか .
A.卵管,子宮は ミュラー管から形成される. 
B.ダグラス窩とは膀胱子宮窩を指す. 
C.更年期にはLH , FSHは低値となる. 
D.卵巣の莢膜細胞はエストロゲンを産生する. 
E.増殖期内膜の腺には核分裂像がみられる. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E
・直腸子宮窩をダグラス窩と呼ぶ
・莢膜細胞はプロゲステロンを産生する。エストロゲンを産生するのは顆粒細胞
・更年期障害はエストロゲンが低下する時期に発生する。血中E2濃度が低下し、FSHが高値になる

2.正しいもの はどれですか .
A.腟粘膜 は重層扁平上皮で覆われている. 
B.子宮内頸部粘膜 は多列線毛上皮に覆われている . 
C.子宮内膜 は重層扁平上皮 に覆われている. 
D.卵管粘膜 は移行 上皮に覆われている.
E.骨盤腹膜の表面は中皮が被覆している. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

3.コルポスピー所見で正しいものはどれですか .
A.移行帯には腺開口認めない. 
B.移行帯は上皮に覆われている. 
C.移行帯にナボット嚢胞を認めることは稀である. 
D.白色上皮は移行帯にみられることが多い. 
E.赤点斑は毛細血管が状にみえる限局性の異常病変である. 
1.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D ⑤.D.E

4.正しいものはどれですか .
A.粘液性境界悪腫瘍は多房であることがおおい . 
B.卵巣明細胞癌に子宮内膜症を合併することは稀である. 
C.卵黄嚢腫瘍は良性である. 
D.ディスジャーミノマ は高齢者に多い. 
E.顆粒膜細胞腫では子宮内癌を合併することがある. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

5.Ⅱ型子宮内膜癌について正しいものはどれですか .
A.明細胞癌はⅡ型子宮内膜癌に分類される. 
B.発生機序はde novo発癌である.
C.エストロゲン依存性である. 
D.背景内膜は過形成性であることが多い. 
E.分化度は高型が多い. 
①.A.B 2.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

6.子宮腫瘍について誤っているものはどれですか.
A.平滑筋腫の発生・増大は ホルモン非依存性である . 
B.平滑筋腫は不妊・流産の原因となりうる. 
C.平滑筋腫と肉の組織学的鑑別では,腫瘍細胞壊死の有無が重要である.
D.子宮内膜間質肉腫は 脈管侵襲をきたしやすい . 
E.癌肉腫で,横紋筋肉腫成分を有するものは同所性に類される. 
1.A.B ②.A.E 3.B.C 4.C.D 5.D.E

7.ヘルペス感染症の所見で正しいものはどれですか.
1.核分裂像
2.核周囲の明庭
③.核内封入体
4.分枝状仮性菌糸
5.洋ナシ型細胞質

8.ベセスダ分類に関して正しいものはどれですか.
1.子宮頸部直接塗抹標本では1000個以上の扁平皮細胞数が適正と規定されている
2.ASC-US は全ASCの10%以下であることが望ましい .
③.ASC-Hの場合,コルポスピーおよびねらい生検が推奨される
4. CIN2はLSILに相当する .
5.上皮内癌はSCCに含まれる .

9.子宮頸部上皮内腺癌について誤っているものはどれですか .
1.羽毛状形態を示す細胞集団が出現する.
②.背景は通常出血壊死性である.
3.子宮頸部異形成や上皮内癌などの扁平病変がしば併存する.
4.通常型のほとんどは高リスク群ヒトパピローマウイルス感染を伴う.
5.細胞分裂像やアポトーシス体がみられる.

10.子宮頸部病変について誤っているものはどれですか
1.基底層に異型がみられなくてもコイロサトーシスあればCIN1とする.
2.非角化型扁平上皮癌は真珠の形成を欠くものである.
3.胃型粘液性癌は,通常内頸部腺に比べて予後が悪い.
④.胃型粘液性癌は,高リスク群ヒトパピローマウイルスと関連が高い.
5.小細胞癌は,肺に発生すると同様の組織像を示す.

11.子宮体癌の危険因で誤っているものはどれですか.
1.肥満
2.糖尿病
3.大腸癌の家族歴
4.多嚢胞性卵巣症候群
⑤.黄体ホルモンの内服
子宮体癌の危険因はホルモン補充療法としての長期のエストロゲン投与、乳癌に対するタモキシフェンの使用、エストロゲン産生腫瘍、多嚢胞せい卵巣、糖尿病、高血圧、乳癌・大腸がんの家族歴がある

12.子宮腫瘍と関連の深い抗体うち誤っている組み合わせはどれですか.
①.類内膜癌(G1 ) ――――――――WT-1
2.漿液性癌 ―――――――――――p53
3.明細胞癌 ―――――――――――HNF-1β
4.低悪性度子宮内膜間質肉腫 ―――CD10
5.平滑筋肉腫 ――――――――――h-caldesmon

13.誤っている
ものはどれですか.
1.閉経後期の腟細胞像では傍基底出現が顕著ある.
2.プロゲステンは排卵後の黄体より分泌される.
③.プロゲステン負荷後の細胞像は表層が大多数を占める.
4.若年性顆粒膜細胞腫は思春期早発症の原因となる.
5.多囊胞性卵巣症候群ではしば排障害を伴う.

14.誤っているものはどれですか.
1.月経周期の正常範囲は25 ~38 日である.
2.尿の妊娠反応はヒト絨毛性ゴナドロピンを検出する.
3.脱落膜細胞はプロゲステンによって変化した内間質である.
④.流産時の細胞成熟指数(M.I.)は左方移動を示す.
5.経口避妊薬内服中は黄体後期の細胞像がみられる.
流産時は右方移動です。左方移動は高エストロゲン状態です
15.誤っているものはどれですか.
1.全胞状奇胎の診断にはp57Kip2 抗体を用いた免疫組織学化が有である.
②.水腫様流産では栄養膜細胞の異常増殖が認められる.
3.細胞診で侵入奇胎と非の区別は困難ある.
4.絨毛癌では原則的に形態を認めない.
5.全胞状奇胎は父親に由来する雄核発生である.

16.関連の深い組み合わせとして誤っているものはどれですか
1.トリコモナス原虫 ――――――― 腟炎
2.クラミジア ―――――――――― 不妊
3.ヒトパピローマウイルス ―― ― 尖圭コンジローマ
4.単純ヘルペスウイルス2型 ―――  性器ヘルペス
⑤.性器カンジダ症 ―――――――― 子宮頸管炎

17.卵巣癌の腫瘍マーカについて誤っている組み合わせはどれですか
1.高異型度漿液性癌 ――――――――――CA
-125
2.卵黄嚢腫瘍 ―――――――――――――AFP
3.絨毛癌 ――――――――――――――― β-hCG
4.扁平上皮の悪性化を伴う成熟奇形腫 ――SCC
⑤.ディスジャーミノマ ――――――――ALP

18.誤っている
組み合わせ はどれですか .
1.漿液性癌 ――――――――――psammoma
body
2.明細胞癌 ――――――――――mirror
ball pattern
3.顆粒膜細胞腫 ―――――――― 核溝
④.成熟嚢胞性奇形腫 ―――――― 神経管
5.卵黄嚢腫瘍       ―――――― Shiller-Düval body

19.外陰の病変について
誤っている もの はどれですか .
1. 外陰癌の多くは扁平上皮である.
2. 扁平上皮癌には,高リスク群ヒトパピローマウイルが関与していること多い.
3. 悪性黒色腫は免疫組織化学でAMelan Aが陽性となる.
4. 悪性黒色腫は転移しやすく予後不良である.
⑤. パジェット病は低分化の扁平上皮癌である.

20.放射線治療による悪性細胞の変化として誤っているものはどれですか.
1.多染性細胞質
2.空胞形成
3.核濃縮
4.核破砕
⑤.核細胞質比(N/C比)の低下

さいごに

十年ぶりに一次試験の過去問を解きましたが、意外と覚えていたのですが解剖学などの基礎的なところルーチン業務で使用しない個所は忘れている傾向にありました。また遺伝子学的検査が多いのは時代の変化と最新の知見によるものでしょう
いい勉強になりました。自分なりに調べながら解きました。間違えている個所や質問事項がありましたらコメントして頂けると幸いです

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