2018年度第51回細胞検査士資格認定試験学科筆記(一次試験) 解答

2019年10月1日火曜日

細胞検査士試験情報 病理・細胞診

t f B! P L
2018年の2018年度第51回細胞検査士資格認定試験学科筆記(一次試験) を解いてみましたので、回答を表にまとめております

解答一覧


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総論 解説

(1)正解5
・がん遺伝子:c-yc、K-ras、
・がん抑制遺伝子:p53、Rb(網膜芽腫)、APC(胃癌と十二指腸癌)

(5)正解5
・A アウエル小体:AML
・B ハッサル小体:サルコイドーシス
・D 多核巨細胞 :ヘルペスウィルス
・E デコイ細胞 :ポリオーマウィルス

(7)正解3
・A 網膜芽腫細胞:Rb
・B 乳癌:BRACA2
・C 悪性黒色腫:p16(頭頚部癌にも認められる)
・D 多発内分泌腫瘍Ⅱ型:RET
・E 家族性大腸線種症:APC

(12)正解5
・ラテント癌:生前に兆候はなく剖検臓器の検索によって発見された癌

(14)正解4
・アポトーシス細胞やアポトーシス小体はマクロファージによって処理されるが炎症反応は伴わない。

(20)正解3
・肥大:細胞の容積の増加を指す
・萎縮:細胞の容積が減少する

技術 解説

(1)正解4
・対物レンズのカラーリンングコード
 ×1  :黒
 ×10 :黄
 ×20 :緑
 ×40 :青
 ×100:白

・アクロマート :青赤の二波長の色収差を補正
・アポクロマート:青赤緑の三波長の色収差を補正
※オリンパスのサイトに詳しく記載されたサイトがありますのでそこが一番参考になります

(12)正解5
・キシレンの作業環境濃度:50ppm
・作業環境測定記録は3年保管。健康診断個人票は5年

(15)正解5
・顕微鏡の性能は開口数と分解能に左右され、開口数が大きいほど分解能や明るさが優れる
・焦点深度:ピントがシャープにあっている範囲

(19)正解5
バイオハザードマークの色と対照
・黄色:血液の付着した鋭利なもの(メスなど)
・橙色:感染性のある体液・血液の付着したガーゼなどの固形物
・赤色:血液などの液状、泥状のもの

泌尿器体腔液その他 解説

設問 1 正解1
E:セミノーマはリンパ球浸潤を伴う

設問 2 正解2

設問 3 正解1
乳頭腺管癌:乳頭構造や腺管形成を特徴として乳管内進展の強い高文化腺癌

設問 4 正解2
骨腫瘍の頻度:骨肉腫>骨髄腫>軟骨肉腫

設問 5 正解1

設問 6 正解5
B:原発性マクログロブリン血症はIgM高値を示す

設問 7 正解5
前立腺の辺縁領域が癌の好発部位(70%)、中心領域は前立腺肥大症が多い。

設問 8 正解3
B:尿膜管癌は腺癌

設問 9 正解5

設問 10 正解1

設問 11 正解2

設問 12 正解5

設問 13 正解4

設問 14 正解3
4:皮膚病性リンパ節炎は組織学的に細網細胞が増加し皮膚から遊離したメラニン色素を貪食する

設問 15 正解2

設問 16 正解4

設問 17 正解5

設問 18 正解2

設問 19 正解5

設問 20 正解4

呼吸器 解説

設問 1 正解3
鼻前庭部~上咽頭の一部は重層扁平上皮細胞で覆われ他は多列腺毛円柱上皮で覆われる

設問 2 正解3
B:Giemsa染色では栄養体が観察される
C:グロコット染色では褐色

設問 3 正解5
AB:石灰化小体、クルシュマンのらせん体はヘマトキシリンに染まる

設問 4 正解5
B:アスペルギルス
C:クリプトコッカス
DDNAウイルス

設問 5 正解3
検診の区分と判定
A:不良(再検査)
B:正常~軽度異形細胞(次回検査)
C:中等度異形細胞(6か月後)
D:悪性(直ちに精査)

設問 6 正解1

設問 7 正解3

設問 8 正解5
肺腺癌の予後は肺胞置換型(予後良好)、乳頭型、腺房型(予後不良)、(予後不良)などに新しい分類は分類では分けられた。ROS1は腺癌に多く印環細胞の形態や篩上構造パターンをとりRetは充実型に多く印環細胞様の腺癌が多くNGR1Krasは浸潤性腺癌に多くアジア人はKras変異が少ない。

設問 9 正解3

設問 10 正解4

設問 11 正解1

設問 12 正解4

設問 13 正解5
肺腺癌の80%に遺伝子異常がある
EGFR80
Kras15
ALK5
ROS11

設問 14 正解5

設問 15 正解3
TTF1の陽性率
・腺癌:83
・小細胞癌:67
・扁平上皮癌:8
・大細胞癌:20
napsinAやp40は腺癌で陽性となるが、SCCではp40CK5/6で陽性となる
設問 16 正解5
シャルコーライデン結晶は好酸球の顆粒に由来する正八面体の結晶でエオジンに好染する

設問 17 正解4

設問 18 正解3

設問 19 正解1
CDX2は十二指腸から直腸までの粘膜に発現する。

設問 20 正解4

16は扁平上皮癌の61%、上皮内癌の5%、化生の24%に認められる。

消化器 解説

設問1 正解5

設問2 正解2

設問3 正解3

設問4 正解3

設問5 正解3

設問6 正解4
H.pyloriはグラム陰性のらせん状桿菌で胃がんやMALTリンパ腫に関連する

設問7 正解3

設問8 正解1

設問9 正解4

設問10 正解1
A:異所性膵組織は胃に後発し8割が幽門部に認める

設問11 正解4

設問12 正解1
β-糧人はSPNでは核と細胞膜が陽性となる

設問13 正解2
EUS-FNAの適応
1 切除不能膵癌と考えられる症例の化学療法以前の病理学的確定診断のため
2 画像や他の検体採取法では鑑別困難
3 病気期確定のためのリンパ節穿刺や腹水採取
合併症の頻度は1%で膵炎や出血を伴う。禁忌事項としては出血傾向や凝固異常、抗凝固薬を中止できない場合

設問14 正解5

設問15 正解3
自己免疫性膵炎の特徴
・膵腫大
・高γグロブリン血症、高いIgG血症、自己抗体を認める(IgG4
・組織学的に膵組織にリンパ球と形質細胞の浸潤と繊維化が認められる

設問16 正解2

設問17 正解1

設問18 正解1

設問19 正解3

設問20 正解2
by カエレバ

婦人科 解説

設問1 正解5

子宮頸部胃型腺癌の特徴
1 予後不良
2 HPV非依存性
3 日本において高頻度
胃型形質を有する腺癌で1)細胞質が豊富で淡明・好酸性2)細胞境界が明瞭3)粘液性腺癌 という特徴を有する

設問2 正解1

設問3 正解4
高エストロゲン状態:新生児、思春期など

設問4 正解5

設問5 正解2
部分胞状奇胎n10%は侵入奇胎を発症し、12%は絨毛癌を発症する。
設問6 正解3

設問7 正解5

設問8 正解5

設問9 正解3

設問10 正解2

設問11 正解3

設問12 正解2
急性効果は放射線感受性の早期診断と治療の選択、治療効果の判定のために有用な指標です。細胞の変化として
核の変化
・核肥大
haloの形成
・多角形成m、核破砕、核融解

細胞質の変化
・染色性の変化(Two-tone-colors
・細胞質内空砲
・細胞質腫大
が認められますがN/C比は変化しません

設問13 正解3

設問14 正解1

設問15 正解3

設問16 正解3

設問17 正解?

設問18 正解3

設問19 正解3
BRCA:がん抑制遺伝子の一つ
遺伝性乳がん、卵巣がんの特徴
・若年で乳がんを発症
・トリプルネガテイブ乳癌を発症
・両側の乳房に癌を発症
・片側性の乳房に複数の乳がんを発症
・男性乳がん

卵巣の漿液性腺癌は高悪性度と低悪性度に分類される。低悪性度漿液性腺癌は10%の頻度でkrasBRAFが関与し組織学的にはG1の形態をとる。一方で高悪性度漿液性腺癌は90%の頻度で認められp53の変異が認められる予後不良な組織型で、形態的にはG2G3の形態をとる。

卵巣腫瘍の両側性発症の頻度
・粘液性癌-16.7
・漿液性腺癌-38.5
・類内膜癌-21.4
・繊維腫-12.4
・莢膜細胞腫-9.1
・成熟嚢胞奇形腫-8.7
・未分化胚細胞腫-1

設問20 正解2

さいごに

若手技師の教育や自己啓発という意味合い、力量評価のための履修もあり毎年細胞診の一次試験過去問は解くようにしております。2018年の問題はかなり難しかったです。分類の変更や最新の知見を踏まえた出題はかなり苦戦しました。特に日々増えていく遺伝子学的知見はアンテナを張っているものの病理業務に最近は従事していないこともあり若干追いつけておりません。
随時入力しておりますので暫くお待ちください
また間違えている点があったら教えてくださると大変助かります

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