試薬の選定方法と試薬の基礎的検討方法

2018年3月21日水曜日

遺伝子検査 血液学的検査 生化・免疫学検査 微生物検査 輸血検査

t f B! P L
機器の変更などにより試薬の変更を行う際は、試薬の選定と基礎的検討(バリデーション)が必要となります。生化学検査担当者からすれば検討事項が多く悩ましい作業です。

試薬選定時に際して確認しておきたいポイントとして
・測定法
・採用率
・性能
・異常反応事例
・操作性
・1ボトルあたりのテスト数
・Lotの変更と頻度
・メーカーの対応
・分析装置との相性
・検査所要時間
・コントロールとの相性
・価格
など様々な要因を検討すべきです

測定法と採用率

最も重要なファクターで自施設ではどの測定法が求められているか確認し、臨床のニーズを反映した測定法を選ぶ事が大事。採用率の低い測定法を選択すると、測定法別に評価される外部精度管理において、評価が悪くなる可能性がありあます

1ボトルあたりのテスト数

試薬交換の頻度を意味し試薬交換の頻度が高いほど、泡立ちやこぼす頻度が高く試薬量が施設のオーダー数に見合わない場合(交換頻度が低すぎる)と開封後の安定性がデータに影響を及ぼす

分析装置の相性

添付文書に示される分析機器を同じ機種を使用していても、添付文書の試薬の性能どおりには再現されないことがある。また施設で使用している分析装置に対しての使用実績の有無の確認も重要

検査所要時間

専用機から汎用機への試薬変更の場合、検査所要時間がどのくらい短縮されたかを把握しておくと病院へのアピールとなる

試薬の価格

臨床のニーズを重視は当然で経済観念も大事です。1テストあたりの単価を把握する
可能な限り安価の試薬を極力使用したほうがよく専用から汎用試薬への変更は、試薬変更のコストメリットから、病院に対し経済的に貢献できます

話はそれますが臨床検査の経済性に関して言うならば
・ 正確な検査の提供 ⇒ 職務上当然
・ チーム医療の参画 ⇒ 職務上当然
・ 学術研鑽     ⇒ 当たり前

経済的にも病身運営に貢献することも当然のことです

賛否両論ありますが上記三点は全てが臨床検査技師としては当たり前のことです
生化学検査でまず簡単に出来そうなこととして
・赤字項目の撤廃
・新規項目の導入
・代替え品への切り替え
・原価の安い試薬への切り替え
・試薬使用量の見直し
・規格の見直し
上記三点も調べておくとよいでしょう

試薬を選定後、メーカーより分析装置のパラメーターを入手します
機器にパラメーターを入力後、コントロールやキャリブレーターなど分析項目の設定を行った後に試薬を設置した後に基礎的検討を行います

基礎的検討方法に関して様々な検討が必要です
・正確性試験
・同時再現性試験
・直線性試験
・最小検出感度
・相関性試験
・コンタミ試験
・プロゾーン試験
・干渉物質の影響

ISO15189にも要求されますが使用試薬のバリデーションが求められます。
このバリデーション(基礎的検討に関しては)試薬選定後、試薬メーカーの営業担当者と相談すると良いです。試薬の検討経験が無い場合、メーカーよりランニングマンが基礎的検討を行ってくれます。周りに詳しい方がいない場合は、ランニングに何回か立ち会ってから直接教えてもらい自分で行ってみると面白いです。試薬やキャリブレーター、干渉物質の確認やで使用する干渉チェック、直線性試験で使用する直線性試料は自分で検討する旨を伝えれば手配してくれます。

メーカーさんや上司から習ったこととは別に検討を行う事前に学習した際に使用した資料としては“日本臨床検査自動化学会会誌 27巻suppl-1号 ”を参考にさせてもらいました。
日常検査法の性能試験法マニュアル作成委員会が作成したガイドラインで、物質濃度測定系、酵素活性測定系、免疫成分測定系の検討方法に関して詳しく記載されています

引用 メデイカルオンライン(https://mol.medicalonline.jp/archive/search?jo=cl0rikej&ye=2002&vo=27&issue=suppl-1)よを参考にしております
気になる方はダウンロードしてください


このブログを検索

QooQ