生化学分析におけるパラメーター・減量パラメーターの考え方

2018年3月23日金曜日

生化・免疫学検査

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パラメーターとは?

臨床検査での分析における分析条件をパラメーターと言います。
サンプル量や、第一・第二・第三試薬量、反応条件(エンドポイントアッセ・レートアッセイ)、測光ポイントや、測定時の主波長、副波長、異常値の設定、試薬の直線性の設定など様々な分析に必要な条件を機器に設定してやる必要があります。試薬の変更や検討時、分析装置の更新時に試薬メーカーの営業担当者に言えばその分析装置に必要なパラメーターを手配してくれます

試薬の検討時にはこのパラメーターの入力を行う事が重要な仕事となります
このパラメーターの設定が間違えているといかに優れた分析器や最高の試薬を揃えたと言え正しく分析を行う事はとうてい出来ません

例えばBM6050を例に例えましょう
分析条件が本来エンドポイントアッセイ(EPA)の項目、測光ポイント3点としましょう。これを間違えてレートアッセイ(RRA)と入力した場合は測光ポイント不足となり測定できません。これはBM6050のレートアッセイ(RRA)で最低でも5点以上の測光ポイントが必要となるためです。入力した際はダブルチェックをしてもらった方が賢明でしょう。

また生化学分析では“減量パラメーター―”なるものが存在しますがこれは使用する試薬の量を減らしコスト削減を図るためのパラメーターです

減量の考え方に関しましてはレートアッセイとエンドポイントアッセイで考え方が変わります日本電子のBMシリーズを例にとり表現させていただきます

レートアッセイのパラメーター

レートアッセイ項目はE2補正を行うので第一試薬とサンプル量が最小反応液量以上あれよい

エンドポイントアッセイのパラメーター

第二試薬添加前の吸光度が必要となるので第一試薬とサンプル量が最小反応液量以上あれよい

ラテックスエンドポイントアッセイのパラメーター

第二試薬が添加されてからの吸光度が必要とります。このため第一試薬とサンプル量と第二試薬の量が最小反応液量以上あれよいです

検討方法

1)最小反応液量を調べます
2)メーカー指定の標準パラメーター、最大限減量したパラメーターとその真ん中くらいのパラメーターを分析装置に設定します
3)それぞれのパラメーターで再現性をとります。n=50程度でよいでしょう
4)相関性をとります。こちらもn=50程度でよいでしょう

減量パラメーターの評価方法

減量パラメーターが標準パラメーターよりばらついた場合その減量パラメーターは使用しない方が良いです。液面の泡などによる影響が考えられます

減量パラメーター導入時の注意点

日本電子のBMシリーズはサンプル量が1μでもサンプリングが出来ますが極力2μl以上使用することが望ましいです。また1μ程度ではシリンジの劣化が表れやすくなります。減量パラメーターは機器のメンテナンスがきちんとなされている事が前提です。導入したらコントロール測定回数を増やします。

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