血清アルブミンの測定は1920年代より行われており塩析法や電気泳動法、1970年代には
BCGやBCPを用いた分析法が報告された。血清アルブミンの測定では、抗体を用いた免疫法がgold standardと考えられるが、コストが高く、通常検査室で用いられる汎用機器で測定できないため、ルーチン検査には適さないとされ、臨床の現場では色素結合法が代替法として用いられおり現在用いられている分析法はBCG法、BCP法、BCP改良法の3法である。BCG(bromocresol
green)法はアルブミンのみならずグロブリンとも反応する交差反応の問題ため特異性の問題が指摘され、特にハプトグロビン等の急性相反応蛋白との反応性が高ため患者により反応性は一様ではないため換算が出来ません。
<![if !supportLists]>※ <![endif]>各測定法の各種グロブリンとの反応性(2 g/dl 各試料との反応率%)
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BCP 改良法
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CP従来法
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BCG 0.5 分法
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BCG 10 分法
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α2-グロブリン
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4
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3
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11
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49
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β-グロブリン
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2
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2
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15
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24
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γ-グロブリン
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1
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1
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2
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3
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α2-マクログロブリン
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0
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4
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18
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40
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トランスフェリン
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4
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2
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27
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41
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ハプトグロビン
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3
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2
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38
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72
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<![if !supportLists]>※ <![endif]> “出典:村本良三:血清アルブミン定量法.臨床検査
48: 537-44, 2004”
BCP(bromocresol purple)法はアルブミンに対する特異性は高いものの、酸化型アルブミンと還元型アルブミンに対する反応性が異なるため、種々な病態や検体の保存条件による影響を受けやすいということが指摘されていた。そこで村本らにより改良型BCP法が提案された。これはBCP法の前に前処理により、アルブミンをすべて酸化型に変化させた後にBCP法により定量を行うためアルブミンの測定値は免疫法による測定値との間に乖離が少ないことが報告されている。またIFCC標準法としての免疫法との測定値が一致することから自動分析器で使用できる試薬がメーカーから多く発売されてきた。このためより特異度の高いアルブミン測定法として、BCG法に代わって採用されるようになっている。平成25年に日本臨床検査技師会が公表したデータではBCG法が39%、BCP改良法57%、一方日本医師会はBCG法が40%、BCP改良法が53%とBCP改良法を使用する施設の割合が高くなっている。BCP 改良法で注意すべき点としてペニシリンG の投与により薬剤と結合したアルブミンに対する親和性が低くなるために負誤差が生じるたけでなくアルブミンの測定法は、採血時の体位の影響も知っておく必要がある。座位での採血検体での結果は臥位のものより5 から10%高くなると報告されている。BCG
法とBCP 改良法によるアルブミン測定値の相関係数は0.95〜0.99 と高いのだが値が低いと2法の差は大きくなる傾向にあり栄養指標として使用する場合の評価がずれる、肝硬変と腎疾患で2法の差が異なること、Child-Pugh 分類、ネフローゼ症候群の診療指針での血清アルブミンによる病態識別への影響が報告されている。
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