共存物質の影響・干渉物質の影響手技と解釈

2017年9月14日木曜日

血液学的検査 生化・免疫学検査 輸血検査

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共存物質(干渉物質)の影響

試料中に存在すし目的成分以外の物質かつ測定値を変化させる可能性のある物質を共存物質(干渉物質)と言う。干渉物質には遊離ビリルビン(ビリルビンF)、抱合型ビリルビン(ビリルビンC)溶血ヘモグロビン、乳び、アスコルビン酸等がある。

干渉物質としての乳び

乳びの混濁は散乱光を生じさせるため分光光度計による全波長の透過性や濁度など吸光度分析に影響を及ぼす。このため高度な乳びを認めた場合は希釈測定が望ましい。

干渉物質としての溶血ヘモグロビン

ヘモグロビンは541nmと576nmに極大吸収を有するためこのあたりの吸光度を用いる分析項目は影響を受けやすい。蛋白、アルブミン、カルシウムなどでは影響を受けやすい。2ポイントエンドポイント法や2波長測定によりある程度はその影響は回避可能である。回避方法は採血による溶血や処理による溶血を避けることである。

方法・材料

共存物質の影響の確認には干渉チェックプラスを用いる方法と、実試料を用いる方法がある。

検査手順(干渉チェックを用いる)

  ベース血清:患者プール血清を作成する
  添加試料:各項目の添加試料とブランク用のバイアルを精製水で溶解する・
  添加ベース血清:①で調整した患者プール血清と②で調整した添加試料を91で混合する・・・A
  ベース血清ブランク:①で調整した患者プール血清と②で調整したブランクを91で混合する・・・B
  ③と④で調整したAとBを用いて510段階の希釈系列を作成する
  それぞれ3回以上測定する
  計算:得られた測定値から0濃度に対する相対血を求める


対象
1/10
2/10
3/10
4/10
5/10
6/10
7/10
8/10
9/10
10/10
-
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
-

解釈

干渉物質による影響の要因が反応系にある場合は原理上試薬疎性によるものである。また計測系にある場合は干渉物質によるスペクトルに由来する。溶血による影響は成分や反応系や計測系に影響する。

日本臨床検査自動化学会より「汎用自動分析装置性能マニュアル」が発行されていますので試薬の性能の確認の際はダウンロードされた方が良いです。確認用試料は干渉チェックAプラスが市販されている事から広く使用されています。購入してもよいですが、試薬の切り替えを考えられているならサンプル取り寄せの際や・ランニングの際に手配してもらうのも一つの手ではあります。

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