病理業務でカセットプリンタとスライドプリンタの導入の際の注意点と良かった点

2017年8月23日水曜日

マネージメント 病理・細胞診

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カセットプリンタやスライドプリンタが便利

最近職場にカセットプリンタやスライドプリンタを導入したのですが、これがすごく便利で助かっています。
病理業務は
)受け付け
)切りだし
3)包埋
)薄切
5)染色
)診断
と言う流れになり様々な段階で取り違えやミスが起こります。
)受け付け後にカセットに印字し(システムが指示)
4)切る際にカセットのバーコードを読ませることでスライドへ番号を記載します。

カセットプリンタやスライドプリンタが職場にない場合は基本的にブロックやスライドへの病理組織番号は手書きになりますから少なからず間違いは起こるでしょう。
仮に1から100までの数字を30秒以内に書き込んでみた場合1つくらい書き間違えたでしょう。そのくらい手書きと言うものは間違いが起こりやすくなります。ブロックやスライドへの記載ミスもですが、スライドプリンタがない場合はラベル貼りと言う作業があります。これも受け付け番号や枝番号、染色項目の間違えの起こる可能性も出てきます。

作業的特性上どの作業段階でも人の手がかかっているのが、標本番号記載という作業が自動化されると言う点では作業の標準化への貢献に一役買っているのには間違いありません。
カセットプリンタやスライドプリンタはサクラファインテックジャパンや松浪硝子、武藤化学より製造販売がなされております

  カセットプリンタ一覧
サクラ
ティシュー・テック オートライトネクスト カセット プリンタUM(AWC-NU)
ティシュー・テック オートライトネクスト カセット プリンタ (AWC-N)
ティシュー・テック オートライトネクスト カセット プリンタマクロ (AWC-NM)
松浪硝子
MCP2000 Path Cassette Printer (パスカセットプリンタ)
武藤化学
マルチレーザーカセットプリンター シリウス 
コンパクトレーザーカセットプリンター ノバ 


  スライドプリンタ一覧
カセットプリンタとスライドプリンタの導入までにやること
カセットプリンタ・スライドプリンタを導入に至るまでの感想
松浪硝子

ファインフロストプリンタ 
ファインフロストプリンタ Min
武藤化学
トレイ式スライドプリンター PPM-FX
コンパクトスライドプリンター PPM-SX


 ただ注意すべき点としてカセットプリンタやスライドプリンタは万能ではなくあくまでも印字機のひとつであるため記載ミスが減るに過ぎません。
印字後のブロックと患者検体の取り違えや、切片の載せ間違えの可能性は消えません。
このため印字後のブロックと検体照合のダブルチェックを行う事や薄切する際は水に複数の切片を浮かべない、染色標本が出来上がったらブロックと面を照らし合わせる事が大事です。薄切する際は切る前にバーコードを読ませると、微小石灰化があったりして上手く切れなかった場合にスライドプリンタへ印刷指示が残りますので注意が必要です。このため薄切する際は切片を水に浮かべてからカセットのバーコードを読ませた方が間違いは少なくなりますがこの場合印 刷のタイムラグが難点となります。

病理業務でカセットプリンタとスライドプリンタの導入までにやること

導入までにやるべきこととして
1)病理支援システムとの連携の実績、
2)カセットプリンタ用のカッセットの購入、
3)フロスト部分の面積が広いスライドグラスの変更が必要になります。
1)は納入実績の少ない病理システムでない限りはまず問題はありません。SEさんとの日程調整のみがネックになります。それと切り出し時はカセット数の追加が出来ないシステムが多いので、カセット数の追加方法も検討したほうが良いです。結局勤務先はシステムの端末を増設しました。2)に関しては運用してから知ったのですが、カセットプリンタ専用のカセットがあります。こちらの方へ変更したらスライドプリンタのリーダーの読み取りミスは起こりにくくなりました。3)はスライドメーカーの営業担当者に言えば交換してくれます。

病理業務でカセットプリンタとスライドプリンタ導入の感想

カセットプリンタ・スライドプリンタを導入して運用に至るまでの感想になりますが、確実にブロックやスライドガラスへの番号記入ミスは減りました。また最も改善されたと思うところは、特殊染色の実施漏れや染色する番号のミスがほぼ完全と言っていいほど無くなりました。またカセットに関しては印字したものは再利用できないとメーカーから言われますが、洗剤に2週間くらい漬けておくと印字は落ちます。試に印字してバーコードを読ませましたが読まないカセットの割合が高い気がしました。洗剤がカッセットの表面の微細な構造をきっと何らかの影響を与えているのですね。
まだ導入していない施設はお早目の導入をお勧めいたします

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